県土木部港湾課は、鹿島港湾区域内(神栖市)へ導入を進めている大規模な風力発電の事業予定者を㈱ウィンド・パワー・エナジー(神栖市)と丸紅㈱(東京都)に決めた。選定に当たって、事業予定水域680haを2分割。北側340haを前者、南側を後者とした。今後は両者に環境影響調査や詳細な事業実施計画の作成などを進めさせ、その内容が適切なら2015年ごろ着工し、17年ごろから発電される。
計画では県が「再生可能エネルギー源を利活用する区域」に設定した南海浜地区と南海浜沖地区の680haへ、5MW(5000kW)の大型風力発電施設を約50基建設する。
6月18日から公募し十数社へ要項を配布したが、7月6~13日にウィンド・パワー・エナジーと丸紅の2者のみ応募。
8月1日には学識経験者など6人で構成される選定委員会(委員長・長井浩日本大学准教授)が開かれ、書面、プレゼン、質疑(資金計画の妥当性や環境影響への配慮、海上工事の確実性)などを実施。5項目19小項目を委員が採点し、その結果、両者とも適正と推薦。
この推薦を受け、県では検討の結果、事業水域を2分割し、2者を事業予定者として選定。8月27日に両者へ通知した。
今後は両者が、環境影響調査や船舶航行安全調査、事業実施計画の策定などを、(仮)鹿島港風力発電推進協議会の意見調整を踏まえながら行う。
その内容が適切であれば、県と事業予定者との間で事業実施にかかる協定が締結され、港湾法に基づき水域を占用許可。両者の応募時の計画では15年ごろから着工され、17年ごろから段階的に発電が開始される見通し。
【図=大型風力発電施設の計画位置図】