国土交通省関東地方整備局(下保修局長)と一般社団法人千葉県建設業協会(鈴木雅博会長)との意見交換会では冒頭、下保局長と小池幸男・県県土整備部長により、ともに異例とも言える「8分」を超えた中身の濃い、熱のこもったあいさつが行われ、同意見交換会に臨む国と県の意気込みの高さが示された。(27日付1面参照)
これらを受けるかたちであいさつした鈴木会長=写真=は、7月と8月に同協会三役が県内外の関係直轄機関を訪問し、地域に密着する建設業が永続的に活動できるような「県内建設企業に対する受注機会の確保」について要望するとともに、共通する課題等について懇談する機会を得たことを報告。
また、先般の九州北部や京都など近畿地方を襲ったゲリラ豪雨に言及した氏は、「これによる洪水被害でも明らかなように、自然災害に対する備えは十分なレベルには達しておらず、政治の要諦である安全・安心な国土づくりに向けた社会資本整備への一層の取り組みという流れの中で、地域を守る地元建設業の存在と役割、使命をアピールしていく必要があると強く意識している」と弁。
この日の意見交換については、「こうした自然災害発生時の対応等についても取り上げているので、各事項に対する踏み込んだご所見を伺いたい」と述べ、あいさつとした。
この会議は、業界・国・地方の3者が率直な意見交換を行うことで、公共工事の品質の確保と社会資本整備の理解促進などについて、今後、発注者と受注者が互いにパートナーとして一体となり、諸課題の改善に取り組むことを目的としたもので、関東地方整備局では、管内の各都県建設業協会との意見交換会を順次行ってきた。
この日の意見交換は、協会側から、①公共事業の必要性と建設業界の役割等に関する広報活動の強化②緊急時に速やかな活動が行える体制づくりと、地域を災害から守る地元企業を健全化させる新たな発注方式の検討③社会保険未加入対策の徹底④設計変更に伴う工期延長をはじめとする経費増への適切な対応――について提議したほか、フリー討議や関東地方整備局からの情報提供で構成。
このうち、意見交換会の最後に行われたフリー討議で、一般社団法人千葉県建設業協会の内山弘通副会長が「今回の震災で、災害時には携帯電話が繋がらないことが分かった。業界としても衛星通信を整備したいとは思うが、かなりの予算がかかる」と述べたうえで、「そういった災害に対する整備は、国の施策の中で行うものではないかと考えるが」と指摘。
また「緊急電話の緊急時対応は、我々には中々許可されない。そのため、国や官庁から指針を示してもらえると、我々もそれに対応するシステムが出来ると思う。緊急時の早期の対応について、国・県・千葉市の考えをお聞きしたい」と質問。
これに対して関東地方整備局では、「災害時の初動体制の情報確保は非常に重要ということで、我々も携帯電話等が使えない状況の中で、どのように被災現場の情報を入手するのか、システムの検討を進めている」と説明したうえで、「皆さんから頂けるような情報を含めて共有するとともに、色々な機関と情報の提供・収集がスムーズに行くように、検討会を作り、訓練等を含めて行いたい」と弁。
さらに「ご指摘の点は、まさに今行わなければならないことなので、出来るだけそれらの情報を提供しながら進めていきたい」との考えを示した。
一方、県の対応としては金谷隆司・災害・建設業担当部長が、「先日行った協会三役との意見交換会(20日付1面参照)でも取り上げたが、我々としても官のみの連絡網ではなく、現場の第一線で活躍される皆さんとの連絡が重要と考え、意見交換後直ちに、災害担当に現状と防災部局の対応、他県の状況を調べさせた」と報告。
それによると、「例えば東京都は都庁全体で賄い、神奈川県の場合は、衛星電話を役所側で購入して協会員に貸与し、維持管理費は頂いているというが、一方で本県の防災部局では現在のところ、あまり熟度は増していない」と説明。「先日の意見交換会での議題にも上ったように、これはとても重要な問題であることから、今後は国と我々の防災部局との間でも調整をスタートさせるため、準備を急いでいる」とした。
他方、千葉市の永名淳悟・建設局土木部長は「正直なところ、この中で熟度が一番遅れているのは千葉市である」と述べたうえで、「確かに情報の伝達媒体の整備は重要であると思うが、千葉市としても建設業だけではなく、医療や保護などの色々な部門で共通な認識を持たなければならないと感じている」と弁。
「その中で、県と同様に防災部局が窓口となって進めていかねばと個人的には思っているが、具体的に市全体として構築の内容をどこまで掴んでいるのかは、正直なところ細かくは把握していない」とし、「こういった意見があったということを理解しながら、市全体で考えていかなければと認識させて頂いた」と結んだ。
東日本大震災を受けて一般社団法人千葉県建設業協会では、会員を対象とした災害時の「応急対策業務における出動可能な資機材等」の調査を実施。中間報告(20日付1面参照)に引き続き、この日の意見交換会に合わせて最終報告として取りまとめた。
調査項目は、バックホウ/ブルドーザー/ダンプトラック類/ユニック/発電機/水中ポンプ/チェーンソー/土・砂類/採石/砂利/大型土のう/土のう/単管パイプ/防水シート/鋼矢板/バリケード/カラーコーン/安全ロープ/保安灯/投光器/立看板類/チューブライト/標識類/敷鉄板/ブルーシート/運転手/作業員/特殊資機材/その他――の29項目。
(14面に災害時の「応急対策業務に出動可能な資機材等」調査結果一覧)
















