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団地の集約・統合等図る/県営住宅のあり方検討へ

2012/10/12 日本工業経済新聞(神奈川版)

 緊急財政対策の重点課題の一つである「県有財産の見直し」に取り組む県は、県営住宅(二二一団地、一、八〇六棟、四万五、三一〇戸)についても、管理・運営等の方向性を検討していく。

 県では、県営住宅についての基本的な考え方として、現状では、県直営方式が民間住宅借上方式、家賃補助方式に比べて有利だが、収益の出にくい収支構造等であるため、団地の集約化による効率的な配置や用途廃止の拡大など、経営資源の見直し等に取り組むとしている。

 借上方式についても部分的・短期的には効果的活用が可能であり併せて導入等を検討する。また、家賃補助方式は、国の動向を見ながら、継続的な課題とする。

 具体策として、経営資源の見直しについては、団地の集約・統合等により、効率的な団地の配置を検討する。

 老朽化により応募の少ない団地の縮小と用途廃止団地の拡大や、一括建替えから部分建替えの導入などによる団地規模の適正化を図る。

 こうした取り組みに伴い発生する余剰地や未利用地の売却・利活用も推進する。

 具体策としてはこのほか、工事実績に基づく積算見直しによる整備コストの縮減を図る。家賃滞納対策による収入の確保や市町への移管も検討する。

 県では、県営住宅についてのこうした基本的な考え方を、現在改定作業中の「県営住宅ストック総合活用計画」に反映させるとしている。

 同計画は、平成一八年度から二七年度までの一〇年間を計画期間としており、県はこの計画に基づいて県営住宅団地の整備事業を進めてきた。

 建替えについてみると、計画期間を前半(一八~二二年度)と後半(二三~二七年度)に分け、それぞれの期間内に着手する団地名を示している。

 これまでの進捗状況では、既に計画期間の後半に入っている現在、前半で予定していた団地への着手がかなり遅れており、さらに緊急財政対策による見直しが計画にどのように影響してくるのかが懸念される。

 県営住宅ストック総合活用計画における建替予定団地のうち、未着工分は次のとおり。

 〔建替計画前半分〕

 ▽追浜第二団地(横浜市金沢区・横須賀市夏島)=五期(三四戸)、六期(二五戸)。五期は二四年度で実施設計

 ▽横山団地(相模原市中央区)=四期(四二戸)、五期(一二六戸)、六期(三三六戸)、四期のうち一八戸は二四年度着工、二四戸は二五年度着工予定。

 ▽亀井野団地(藤沢市亀井野)=三期(四五戸)、四期(四五戸)、五期(三〇戸)。

 ▽緑ヶ丘団地(厚木市緑ヶ丘)=三期(四〇戸)、四期(四〇戸)、五期(四四戸)。三期は二四年度実施設計。

 ▽逗子桜山団地(逗子市桜山)=二期(六〇戸)、三期(一八戸)。

 〔建替計画後半分〕

 ▽万騎ヶ原団地(横浜市旭区)=二期(六六戸)、三期(一〇六戸)、四期(三五戸)

 ▽追浜第一団地(横須賀市追浜本町)=一七六戸

 ▽二宮団地(中郡二宮町)=一七五戸

 ▽鶴ヶ峰団地(横浜市旭区)=一九八戸

 ▽伊勢原テラス(伊勢原市八幡台)=一五一戸

 ▽上溝団地(相模原市中央区)=九六〇戸





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