医療用消耗品の製造販売を手がける㈱ホギメディカル(東京都港区赤坂)は、筑波工場の隣接地(牛久市井ノ岡町)に新キット工場の建設を計画している。総事業費に約200億円(うち建物69億円)を投じて、手術ごとに必要な医療用器具をまとめた手術キットの生産工場を増やすもの。生産能力を2倍にし、発送までの時間も短縮する。現在、本社や筑波工場の設計を手がけた㈱日建設計(東京都千代田区)が基本設計をまとめているもよう。来年度初頭から着工し、15年度稼働を目指す。
場所は、筑波南奥原工業団地内に立地する筑波工場の隣接地。2009年度ごろに牛久市から造成済みの約12haを取得した。そのうち3分の1程度の土地に、新キット工場を建設する方針。
同社では、効率化を目的とした製品・物流・情報の基軸システム「オペラマスター」の生産体制を強化するため、中期経営計画に位置づけながら設備投資を予定。
当初、2009年度ごろの着工を見込んでいたが、滅菌センターの増築のみ既存の駐車場へ先行して整備し、これが2011年度に完成。続いて、手術ごとに必要な医療用器具をまとめた手術キットの生産工場を建設する。
手術キットは、注射器やハサミ、ガーゼなどを病院からの発注に応じて組み合わせて梱包したもの。病院が手術予定日の数日前に発注すると前日に届くシステムを構築する。
設備投資計画によれば、総事業費は約200億円。そのうち工場CPUに15億円、建物に69億円、不織布組み合わせ立ち上げ設備に56億円、キット立ち上げ設備に67億円を想定している。
来年度から建物や工場CPUの整備に着手し、14年度末ごろに建物が完成予定。その後、設備の整備を進め、15年度に稼働を目指す。
年間100万キットで、現工場と合わせて200万キットの生産を見込む。受注から発送までの時間は現在の4日から2日に短縮し、病院側の在庫圧縮につなげるという。
㈱ホギメディカルは、1961年(昭和36年)に設立。従業員1441人(連結)、資本金71億2300万円。日本国内に複数の営業所を持つほか、インドネシアに子会社を有する。工場は筑波工場のほか美浦工場が美浦村に立地している。
【図=新キット工場の予定地】