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千葉県商工労働部

東京建設コンで区画分割案など検討/かずさアカデミアパーク小規模化調査

2012/12/17 日刊建設タイムズ

 県商工労働部企業立地課が先月29日に実施した「かずさアカデミアパーク県賃貸地区画小規模化検討調査業務委託」の一般競争入札で、東京建設コンサルタント(千葉事務所:千葉市中央区中央4-10-16)が650万円(消費税抜き)で落札した。予定価格は697万8300円(消費税込み)だった。委託工期は2013年2月15日。県が同パーク内で民間研究所用賃貸地として管理している研究施設用地15Bの5haと生産施設用地2の9.9haの2区画を対象に、小規模化を実施するうえでの必要な区画の分割案等を検討する。

 区画の小規模化は、圏央道沿線で比較的小規模な区画への企業立地ニーズが高まっていることから、昨年度で策定した「かずさアカデミアパークの新たな事業展開」を踏まえ、パーク内の大規模な区画で区画割りを見直し、立地を加速させる。

 研究用地15Bは、所在地が木更津市かずさ鎌足2-9-21他地先で、パークの南側、県道君津平川線の東側に位置する。また生産用地2は、所在地が君津市かずさ小糸1-1-3他地先で、同じくパークの南側で同線の西側に位置する。

 同パーク内で県が管理する区画は全部で4区画あり、1区画は公的研究施設用地で、事業用地は3区画。3区画のうち1区画は1.7haと小区画で、大区画は今回調査の対象となった2区画。このうち生産施設用地2は同パーク内では最大規模の区画となる。

 検討調査の主な業務内容は、①対象区画等の現況整理②分割案等の作成③インフラの整備手法案の作成④課題の整理-の4項目。分割案は対象区画について、企業ニーズのほか、関係法令等の規制、整備費用、その他の諸条件を踏まえ比較検討が行えるよう3案以上提案する。

 区画分割案は、企業ニーズや緑地率等を踏まえ、事業用地として提供する土地の広さとして最も有効な面積や区画の形状等を検討し、分割案を作成。この分割案をもとに、これに連動した通路及びインフラの敷地位置の案(ルート案)と標準的な規格を作成し、併せて造成工事、通路の敷設及び電気・ガス・通信・上下水道等のインフラを地下埋設することを想定し、それらの概算工事費を分割案ごとに算出する。また造成工事は、通路の敷設に伴う法令規制を調査する。

 一方、インフラの整備手法案の作成では、工事施工方法や工事費用の負担とそれに伴う資金回収方法、管理方法等を検討する。

 県が昨年度でまとめた「かずさアカデミアパークの新たな展開」では、今後の施策展開として、①首都圏における貴重な産業用地としての立地促進①かずさアークをより広域的機能を担う施設として活用③かずさDNA研究所の産業支援機能強化④かずさアカデミアパーク周辺土地等の活用による産業の受け皿の形成⑤新エネルギー活用による地域活性化の推進-の5項目を柱に施策を進めることとし、このうち立地促進では、区画の小規模化や土地利用区分の見直し、県賃借地の有効活用と県負担軽減などを取り上げ、検討課題とした。

 区画の小規模化については、工場立地動向調査によると1998年から2009年の間に本県に立地した工場の敷地面積の平均は1.4ha、研究所は平均1.3haで、企業の投資規模と比べると大きすぎることから、区画の分割・小規模化に向けて問題点や手法を地元市や分譲事業者とともに検討を行うこととした。

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