日本海洋掘削(JDC、本社・東京都中央区日本橋堀留町2-4-3、社長・村田稔氏)とジャパン マリンユナイテッド(JМU、本社・東京都港区、社長・三島愼次郎氏)、IHI(本社・東京都江東区、社長・斎藤保氏)の3社は、大水深海域の油田などを掘削できる「大水深海域用半潜水型掘削リグ」(セミサブ型リグ)を共同で設計する合意に達したことを10日、明らかにした。
JDC、JМU、IHIの3社がそれぞれの得意分野のノウハウを生かして、国際競争力を有するデザインと仕様を備えた大水深海域用セミサブ型リグを共同で設計するのが目的だ。2月から設計に着手し、7月に完成させる見通し。
JМUが基本設計を担当し、JDCは40年以上に及ぶ海洋掘削リグの運用経験を生かして、リグ設計のための要求条件をまとめる。IHIは設計内容やレビューの検討を行うなど、それぞれがノウハウを持ち寄って日本では初となる大水深海域用最新鋭セミサブ型リグの設計(或いはデザイン)を行う。
昨今、水深1500メートル~2000メートル以深の大水深海域における探鉱開発は世界的に活発化し、大水深掘削リグに対する需要が増大しているが、韓国やシンガポールの造船所にリグ建造が集中しており、日本国内では2005年以降、建造されていない。
同社は現在、新ジャッキアップ型リグ「HAKURYU-11」(仮称)をシンガポールの造船所で建造中だ。最大稼働水深は425フィート(130㍍)、水深100㍍を超える海域において、6000㍍を超える大深度掘削が可能としている。今春に完成予定。
【セミサブ型リグ】船体下部の浮力体上に複数の脚柱を立て、その上に作業甲板を搭載した構造の海洋掘削装置。リグの周囲に複数の錨を打ち、リグを係留する。半潜水型ともいわれ、海底に脚を着けて稼働するジャツキアップ型と比較して稼働水深が増し、船体の揺れも少なく安定していることから、海象が厳しい状況下での操業に有利。