飛島建設(本社・神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1、社長・伊藤寛治氏)は、現場固有の条件に応じた許容打重ね時間を予測できる品質管理システムを開発したことを17日、明らかにした。
打設したコンクリートの電気伝導率の経時変化を測定し、コンクリートの凝結の進行状況を把握することで、現場固有の条件に応じた許容打重ね時間を予測する画期的なシステムだ。
様々な条件の下で蓄積した電気伝導率の変化とコンクリート凝結の進行との関係のデータベースを基に、許容打重ね時間を予測できるのが最大の特徴で、従来の打重ね時間管理は、コンクリートの種類や配合、外気温などの現場固有の養生環境の変化に対応できなかったが、同システムが開発されたことで、条件の変化に対応でき、よりキメ細かな打重ね管理を行うことが可能になった。
「予測した許容打重ね時間を携帯端末等を通して情報共有できるため、打重ね管理時間が少なくなる可能性が生じた場合でも、あらかじめ余裕を持って対策を講じることが可能で、コンクリートの品質確保につなげることができる」(松元和伸技術研究所第一研究室長)とした。
同室長は今後の展開について「コンクリート構造物の長期的な耐久性を確保し、高い品質のコンクリート構造物を構築するために、現場条件に応じた適切な打重ね管理ができる本システムを組み込んだ高機能のICТコンクリート打設管理システムを積極的に現場へ展開していきたい」と語った。