県君津農業事務所は、三島ダムの耐震性を調査するための土質調査と耐震性検討業務を委託した。土質調査は8か所でボーリング調査を実施し、耐震性検討業務は地震動レベル1での耐震性を検討する。本年度の調査結果により、レベル2の調査や今後の対応策を検討する。土質調査は和合建設コンサルタント(千葉市中央区末広1-1-4)、検討業務はNTCコンサルタンツ(名古屋市中区千代田2-16-10)が担当。委託金額は土質調査が1690万円、検討業務が345万円(いずれも消費税抜き)。委託工期は2013年3月25日。
三島ダムは、二級河川小糸川を水源とする農業用ダムとして1955年に完成。ダムは総貯水量540万立方m(有効貯水量521万立方m)のアースダムで、堤高25.3m、堤頂長127.7m、堤体積9万8000立方m。
農業用ダムの安全性を確認する耐震性等の点検・調査は、「震災対策農業用水利施設整備事業」の補助事業として、同ダムのほか、銚子市の桜井堰、いすみ市の椎木ため池、鴨川市の根方堰の3施設で実施している。調査内容は現地調査、ボーリング調査、現地測量、堤体等の安定計算など。
銚子市の桜井堰は、諸元が受益面積10.1ha、貯水量3万5000立方m、堤高9.8m。調査は、県海匝農業事務所が事業計画書作成を日本水工コンサルタント(千葉事務所:千葉市中央区祐光4-25-5)、地質調査を両総コンサルタント(千葉市中央区中央4-10-17-302)に委託している。
同堰は、県営ため池等整備事業により震災で破損した個所を補修する計画で、2013年度新規採択をめざして本年度で国に採択申請を行う予定。事業計画書の作成は、採択に必要な書類を作成するもの。
また、いすみ市の椎木ため池は、諸元が受益面積67.4ha、貯水量3万2800立方m、堤高4.4m。調査は、県夷隅農業事務所が測量業務を美幸測量(茂原市押日595-5)、土質調査を正和技術(茂原市西野9-3)に委託している。来年度で調査結果をとりまとめ、来年度以降に県営ため池等整備事業の新規採択を申請する予定。
鴨川市の根方堰は、諸元が受益面積16.0ha、貯水量3万5000立方m、堤高7.8m。調査は、基本設計を道路建設コンサルタント(千葉市中央区今井1-23-7、地質調査を伸光エンジニアリング(千葉市中央区今井3-24-12)。
同堰は、県営ため池等整備事業の2014年度の新規採択を目指し本年度で基礎資料を作成する。
同事業は、東日本大震災で、東北地方を中心にため池や排水機場などの農業水利施設が被災し、ため池の決壊などにより甚大な被害が発生したことから、地震による被災の影響が大きい農業水利施設の耐震性を点検・調査するとともに、地震により施設の損壊のおそれがあるなど耐震性の不足する農業水利施設の整備を実施し、災害を未然に防止することを目的に、国が昨年度で制度化した。
同事業は、耐震性点検・調査計画事業と耐震化整備事業の2事業で構成する。
このうち点検・調査計画事業の採択要件は、大規模地震発生の恐れのある地域で、被災時に周辺地域に人家、公共施設等に影響が大きい地域を対象と市、農業用ため池では受益面積7ha以上かつかんがい面積2ha以上、農業用ため池を除く頭首工、樋門、用排水機場、水路等の農業水利施設は受益面積30ha以上であること、など。