北陸地方建設副産物対策連絡協議会は20日、新潟市の北陸地方整備局内で本年度の「北陸の建設リサイクル講習会」を開催。150人を超える参加者が集まり、関心の高さをうかがわせた。
冒頭、協議会会長の北陸地整・木村邦久企画部長は建設リサイクルに対する取組みが北陸で進んでいることを評価しながら、防災・減災、老朽化対策を中心に展開する流れのなか高度経済成長期に建設された施設が更新期を迎えているため、「リサイクルの推進はますます大切な課題となり、3Rが従来にも増して必要となる。また大型補正予算に伴い、おのずとリサイクルのボリュームも増えてくる」と述べ、より一層の協力を求めるとともに、リサイクルへの意識を継続した取組みを要請した。
講習会では、まず長岡技術科学大学工学部の高橋修教授が「アスファルト舗装の長寿命化とリサイクル」について講演。将来への期待として、再生骨材に制限を付けるのではなく、再生アスファルト混合物の品質に明確な要件を設定して配合設計する方法を考える必要があり、新規設計でもリサイクルを考慮すべきと指摘。また、世界に誇れるリサイクル技術を開発することで、舗装分野のイメージを改善することができると強調した。
引き続き、国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター循環資源基盤技術研究室の肴倉宏史主任研究員が「建設系循環資材の利用と環境安全性評価」を説明。循環資材の利用推進と環境安全性について、非鉄スラグのリスク解析の事例を紹介しながら解説するとともに、リサイクルは重要であり、環境安全性も重要であるため、リサイクルの推進と制限のバランスが必要との考えを示した。
【写真=最新の知見等を学んだ】