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千葉県松戸市

6月議会に補正予算/新松戸学校跡地活用で協定

2013/04/15 日刊建設タイムズ

 松戸市は、新松戸地域学校跡地有効活用事業で、優先交渉権者に選ばれたシダックス大新東ヒューマンサービスグループと3月末に基本協定を締結した。市は今後、同グループの提案に基づいて6月議会に公共的施設の整備・運営や既存施設の解体など、関連する補正予算を提出。議会の承認が得られれば、同グループが設立するSPC(特別目的会社)と契約を結び、公共施設部分の設計等に着手する予定。

 優先交渉権者に選ばれたシダックス大新東ヒューマンサービスグループは、シダックス大新東ヒューマンサービスを代表企業として、パシフィックコンサルタンツ、新日本建設、中央住宅の各構成員で構成。業務範囲は、①公共的施設の整備②公共的施設の維持管理運営③民間施設の建設及び必要な一切の業務とし、公共的施設に関しては2013・14年度で建設し、15年度に供用を開始する。

 新松戸地域学校跡地有効活用事業の用地は、新松戸北小学校跡地(新松戸7-192)1万3372㎡と新松戸北中学校跡地(新松戸5-179)1万9820㎡の合わせて約3・3haで、用途地域は第1種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%、第2種高度地区指定)。2つの学校跡地を一体的に活用して防災拠点機能、市民活動拠点機能、定住促進機能等を整備することを基本に、市は事業用地の一部売却または定期借地権の設定で確保した財源により公共施設を整備し、民間事業者は自らの提案に基づき住宅等を整備する。

 シダックス大新東ヒューマンサービスグループは、「新しい防災拠点、市民活動拠点を整備し、地域の魅力を向上させる」ことをコンセプトに掲げ、両事業用地において公共的施設と民間施設(戸建住宅)の開発を提案。また、施設整備のみならず、地域交流プログラムの実施や景観協定の締結によるまちなみの維持など、ソフト面においても地域の魅力向上に積極的に取り組むとしている。

 公共的施設に関しては、小学校跡地の北側と中学校跡地の川沿いに施設を配置する。そのうち防災機能については、地震だけでなく洪水にも配慮して両方の事業用地に空き地と施設を整備し、相互に連携を図るほか、市民活動拠点機能は多目的ホール、会議室など多様な市民活動のニーズに対応できる空間として計画。それぞれが独立して機能する一方、相互利用も可能とし、ソフト面でも施設の利用率を高める。

 また、誰もが憩える機能については、ユニバーサルデザイン、自然採光及び自然通風を基本とし、エントランスホールが外部空間と一体となり、くつろげる空間として計画しているほか、カフェや市民の利便性を高めるコンビニ、ギャラリー等を設ける。子どもを育む機能は、代表企業のこれまでの経験に基づき、成長段階に応じた機能整備を検討し、屋外の広場やテラス、庭、屋上空間との連携も考慮する。

 このほか、学ぶ機能は、北側の落ち着いた場所に個別学習のための自習室を設け、廊下などの共有スペースに学習コーナーを配置したり、子どもたちの専用ゾーンの中にも個別学習とグループ学習のコーナーを別々に設けたりするなど、用途に応じて様々な学習空間を提供。スポーツ機能については、中学校跡地に拠点となる多目的屋外運動施設と屋内運動場を計画するとともに、小学校跡地の市民活動拠点に隣接して「みんなの広場」を計画する。

 一方、民間施設については、「若い世代を呼び込む機能」として、小学校跡地において戸建ての子育て支援モデル住宅を提供し、市内への波及を図るとともに、景観協定を締結して、建物から植栽までを含めた街並み景観を維持する。また、中学校跡地には耐震強度に配慮した戸建て住宅を整備し、景観の美しさを共有するという観点から、住民がまちづくりへの参加意識を高め、コミュニティ形成を支援するイベントや活動を展開する。

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