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新規事業化は「妥当」/18トンネル橋梁は30本/日沿道『朝日温海道路』/社整審の小委員会

2013/04/25 新潟建設新聞

 日本海沿岸東北自動車道(日沿道)のうち、新潟・山形県境で未整備の「朝日温海道路」(L40・8㎞)が2013年度新規事業候補箇所になったことを受け、国交省の北陸・東北地方整備局が23日に社会資本整備審議会道路分科会の小委員会(委員長=丸山久一長岡技術科学大学教授)を開催。委員からは早期整備を求める意見が相次ぎ新規事業化は「妥当」とされた。18のトンネルと30本の橋梁を設け、全体事業費に約1900億円を試算するビッグプロジェクトが本格的に始動する見通しとなった。



 対象となる一般国道7号(日沿道)の「朝日温海道路」は起終点が村上市川端~山形県鶴岡市大岩川地内。

 延長L40・8㎞のうち、新潟県内は「朝日まほろばIC~県境」までにL34・1㎞で、山形県内が「県境~あつみ温泉IC」までのL6・7㎞。

 2車線で計画し、設計速度は80㎞/h。計画交通量は1日あたり約1万1400台。

 全体計画では、新設ICは6カ所(大須戸、大須戸第二、北中、勝木、府屋、鼠ヶ関。いずれも仮称)、改良1カ所(朝日まほろばIC)で、新潟方面へのハーフICとなる大須戸第二以外はコンパクトなダイヤモンド型を基本とする。トンネルは18本(延長L17・5㎞)、橋梁は30本(延長L2・6㎞)を想定。

 道路幅員は一般部がW13・5mで、トンネル部と橋梁部はいずれもW12・0mで計画。コンクリート形式の中央分離帯も設置する。

 総事業費の内訳としては工事費1311億3000万円、用地および補償費93億6800万円、間接経費495億300万円を試算している。

 新規事業採択時評価では、災害時の課題等に対する効果が高いとされ、費用対便益(B/C)は1・4となる。また、整備により、主要都市・拠点間の防災機能の向上が期待され、主要経路である国道7号に通行規制箇所がある鶴岡市~村上市間は現状の「評価レベルD」から、整備後には「評価レベルB(耐災害性あり)」となる見込み。

 今回、委員からは新規事業化を反対する声は聞かれず、総意で新規事業化は「妥当」とした。

 また、丸山委員長は「出来るだけ早く、しっかりとしたものを造っていただきたいというのが委員会としての総意」と総括した。

 今後、国の審査を経て、13年度当初予算に関連事業費が盛り込まれる見通しで、新規事業化後は、現地測量や用地取得、工事に段階的に着手することになる。



【写真=新規事業化へ内容を協議】



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