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建設業労働災害防止協会千葉県支部

建災防幹部が表敬訪問/山本靖彦・千葉労働局長ら/女性初の倉持・労基部長も

2013/04/26 日刊建設タイムズ

 建設業労働災害防止協会千葉県支部の尾頭博行支部長をはじめ、内山弘通、櫻井勝治、柴田一敏の各副支部長と神田公司・専務理事ら一行は24日、千葉市内の千葉第二地方合同庁舎を訪ね、今月1日に着任した山本靖彦・千葉労働局長と倉持清子・同労働基準部長を表敬訪問した。山本局長は山口県出身。これまで、熊本労働局や東京労働局労働基準部長などのいわゆる「監督畑一筋」を歩み、前官職の厚生労働省労働基準局監督課主任中央労働基準監督監察官の際は、あらゆる事件や事故を踏まえた行政運営を、全国的な観点から指揮する立場にあった。

  一方、倉持清子・労働基準部長は、宮城労働局や愛媛労働局などの勤務を経て、前官職は厚生労働省労働基準局労働補償部補償課長補佐を務めた。女性による労働基準部長就任は、千葉労働局では初めて。

 表敬あいさつに引き続き行われた会談には、山本局長と但馬明雄・労働基準部健康安全課長が出席。この席で山本局長は、まず、県内の各監督署を回った感想として、「残念ながら一部の署で建設業の死亡災害が多発する傾向にある」と指摘。「人の命は何事にも替えられない」としたうえで、「事故が起きることはやむを得ないところもあるが、命に関わることや障害が残るなどの重大災害は『無くしていく』という気概を持ち、建災防の内部から、しっかりとした取り組みをして頂くことが一番重要だ」と強調。

 また、マスコミに対しては「取り上げ方」の問題を指摘。建設業に対してイメージに負の側面があるにしても、「一方で災害復旧のために活躍している事実もしっかり取り上げて頂きたい」とし、建設業界には、「若い人たちに『建設業に入ってモノを造りたい』と思わせる、誇れるような魅力ある業界にしていかなければ」と注文した。

 さらに、業界が国に働きかけを行ってきた甲斐もあり、今月1日からの契約で労務費が15%アップしたことに対しては、「政権が代わったことで一気に状況が変わる話ではないが」と前置きしたうえで、「着実に少しずつでも、しっかりと歩んでいくことが大事。安全で良い職場環境を作りながら、ともに歩んでいきたい」との見解を示した。


「東京スカイツリー」特別講演/7月5日の労災防止大会で


 この日は午後から、建災防千葉県支部の常任理事会が開かれ、正副支部長をはじめ県内の各分会長が出席。全国安全週間に予定する「2013年度(第32回)千葉県建設業労働災害防止大会」の開催についての議題では、「東京スカイツリー建設 高さ634mへの挑戦」と題した特別講演を行うこととし、東京スカイツリーの建設に携わった㈱大林組新タワー建設工事事務所長の田渕成明氏を講師に招へいすることを承認した。

 ちなみに、昨年の県内建設業における労働災害死亡者数は14人で、前年に比べて3人の増加。昨年暮れからの円高是正に加え、デフレ脱却を目的とした機動的な財政政策により、公共工事の増加とそれに伴う労働災害の大幅な増加が懸念されている。

 建災防千葉県支部では全国安全週間にあたり、これらの労働災害の大幅な増加懸念を払拭するため、7月5日に千葉市内の京成ホテルミラマーレにおいて労働災害防止大会を開く。




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