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神奈川県相模原市

相模原市の区画整理/IC利便性でまちづくり

2013/04/24 日本工業経済新聞(神奈川版)

 相模原市は、市が計画する麻溝台・新磯野土地区画整理事業(南区)について、一定規模の事業となることから、市の大規模事業評価制度に基づく市民意見募集手続きを開始した。市施行の38㌶規模の土地区画整理事業について、必要性や経済性などについて意見を募る。

 大規模事業評価制度は、市が定めた総事業費20億円以上の事業を対象に行う。大規模な公共事業等は、市の財政に与える影響が大きく、市民の関心も高いものであり、また、一度実施されると途中段階での方向転換が困難であるという特徴があることから、大規模事業の実施に当たっては、当該事業の必要性、妥当性等について検証し、市民や専門家などの意見を聴いた上で、慎重に事業の対応方針を決定したいとし制度化したものだ。

 大規模事業について、市が事業の必要性(公共が担う、市が事業実施する)。妥当性(整備手法、事業規模、場所)。優先性(事業着手時期の適切性、防災・危険回避、企業誘致等の観点)。有効性(実施しない場合との比較、事業実施段階の有効性、課題解決のための最も有効な手段)。経済性・効率性(コスト縮減のための取り組みの適切性、事業採算性)。環境・景観への配慮(周辺環境・景観との調和の配慮、及ぼす影響への低減策)の視点で、検討する。

 意見募集の対象事業は、麻溝台・新磯野地区整備推進事業(南区麻溝台及び新磯野の一部38㌶)で、市では25年度から33年度事業で計画している。

 計画地は、3月末に開通した圏央道相模原愛川インターチェンジから約3㌔の距離に位置する。市によると現地は農地が点在する一方で、戸建て住宅や資材置場、事務所、小規模な作業所が混在するとともに、不法投棄や産業廃棄物が山積されるなど環境が悪化している。また、違反建築物や農地転用違反も多く見受けられる。

 市では、アクセス道路の整備による交通利便性の向上が期待される本地区の特性を活かし、産業・みどり・文化・生活が融合した「新たな都市づくりの拠点」や市内外の産業需要を支える「新たな産業創出の拠点」の形成を図るため、土地区画整理事業を用いた開発計画を立てた。

 同地区については、これまで平成5年度に区画整理事業を用い開発することを決め、8年度に特定保留区域に位置付け(13年度、21年度に再設定)。9年度に計画区域148㌶の地権者組織の設立。21年度に地域の一部でも早期にまちづくりを進めて、地区全体に広げて欲しい旨の、多くの地権者の声を受け、地区を分割して段階的に整備する手法の検討に入り、さがみ縦貫道路や幹線道路等の整備などを勘案し、計画区域の都市計画道路が交差する中央部を選定した。22年度には選定した38㌶の地権者組織が設立(市施行による区画整理事業に9割の賛同)。

 38㌶は、17㌶づつを産業系と住居系で利用し、残りの4㌶は道路、公園などの公共施設に充てる。区画整理の都市計画決定と併せ、計画区域内の(都)村富相武台線(延長2・7㌔、幅員18㍍→27㍍、二車線から四車線)、(都)町田新磯線(延長1・0㌔、幅員11㍍→18㍍)の計画決定(変更)を行う。

 スケジュールは、今度末に市街化区域編入、土地区画整理事業及び関連する都計道の都市計画決定。26年度事業着手。総事業費190億円を見込む。

 今後は、5月14日まで意見を募る。市では、意見結果を評価委に諮問したうえ、同委の答申を受け、最終的に市の対応方針を決める






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