県富士・東部建設事務所吉田支所（高井達也支所長）は、本年度の主要事業をまとめた。道路事業では国道４１３号のバイパス事業（道志村野原－月夜野）を新規事業化。本年度は用地買収に向け道路詳細設計、測量などを進める。河川・砂防事業は富士吉田市内を流れる入山川の改修、道志村のむじな沢砂防など継続事業の進捗を図る。

■道路事業

【国道４１３号バイパス】

　本年度からの新規事業。道路規格を満たしてない道志村野原－月夜野間に新たにバイパスをつくる。事業期間は２０１３－19年度までの７年間。全体計画はＬ１９９０ｍ、Ｗ６（７・５）ｍ。うちトンネルはＬ１０８５ｍ程度、橋はＬ１３５ｍ程度を想定する。

　地元と協議を重ね昨年度までにルートが固まった。本年度は道路、トンネルなどの詳細設計、測量などを予定。着工は来年度以降になる見通し。総事業費は46億円程度を見込む。

【吉田河口湖バイパス】

　新御坂トンネルから河口湖までの間に整備された「河口Ⅱ期バイパス」から、富士吉田市、忍野村、山中湖村方面へ抜けるバイパスを建設する。

　整備区間３０００ｍのうち、新倉トンネルが２４７６ｍを占める。トンネルは１期工区の河口湖側Ｌ１２３０ｍの掘削が11年10月に完了。残る河口湖側９４６ｍ、吉田側４００ｍの掘削・覆工を施工中だ。

　本年度はトンネル舗装約１万６０００㎡、トンネル設備工を行う。同設備工で予定するのは▽換気計測設備▽トンネル非常用設備▽照明設備▽ラジオ再放送設備▽無線通信補助設備▽遠方監視制御設備▽ＣＣＴＶ設備▽受配電自家発電設備。

　バイパスの供用は14年度を予定する。

【富士吉田西桂線整備】

　国道１３９号、県道富士吉田西桂線の渋滞緩和に向け新たなバイパスを整備する。全体計画はＬ３６２０ｍ、Ｗ10・７５ｍ。うち上暮地バイパスがＬ１９５０ｍ、小沼バイパスがＬ１７２０ｍ。現在１、２工区が施工中だが、その続きの工区発注については現在のところ未定。

【電線類の地中化】

　国道１３９号富士見バイパス、富士河口湖富士線、河口湖精進線、船津小海線の４カ所を継続して進めている。本年度は富士見バイパスＬ４００ｍ、船津小海線１３５ｍを予定。富士河口湖富士線、河口湖精進線の設置予定はない（舗装は別途予定する）。

■河川砂防等事業

【入山川】

　富士吉田市新倉地内などを流れる一級河川。水害を防ぐため河道を広げるなどの事業を進めている。全体計画はＬ１１００ｍ。本年度は中央道との交差部までＬ１００ｍ程度の護岸工を予定する。

【むじな沢砂防】

　道志村のむじな沢に砂防堰堤を整備する。現在設計中で本年度用地買収の進捗をみながら一部着工する。堰堤はＨ14・５ｍ、Ｗ90ｍ。

【大沢川砂防】

　富士吉田市小明見に砂防堰堤を建設する。堰堤は完成し流路工を進めているところ。本年度も流路工の発注を予定する。

【寺川砂防】

　富士河口湖河口の既存堰堤をかさ上げする。本年度は用地買収を進め、その進捗により工事発注する。

【白糸町・急傾斜地崩壊対策】

　富士吉田市上暮地地内で崩落対策を行っている。昨年度までに落石防護柵工、法面保護工などを実施。本年度も秋口に、よう壁工などの発注を予定する。

【火山防災情報基盤・緊急整備】

　富士山の監視カメラを設置し、カメラ画像などを関連市町村と共有するシステムを構築する。現在カメラ設置に向けた設計中で設計が終わり次第設置に入る。システムの詳細については今後検討、公表していく。

【写真＝整備が進む新倉トンネル（河口側）】