JR石岡駅周辺整備を進める石岡市は19日、市議会の議決を受けて「常磐線石岡駅の橋上化および自由通路新設工事」にかかわる工事委託契約を東日本旅客鉄道㈱(水戸市)と締結した。契約金額は27億6292万円。本年度に着工し、早期の完成を目指す。
石岡駅周辺整備事業は、2009年12月7日付けで内閣府の認定を受けた「中心市街地活性化基本計画」をもとに駅舎橋上化、自由通路および西口駅前広場などの整備を行い、利便性の向上を図るもの。また、BRTターミナル(約0・3ha)を中心に駅東側(鹿島鉄道跡地など)を整備し、市の玄関口としてふさわしい機能強化を図る。
一昨年度に橋上駅舎や自由通路整備の基本設計をジェイアール東日本コンサルタンツ㈱で策定。昨年度内にJR東日本が「和モダン」を基本とした詳細設計の策定を完了。今回の委託契約締結の運びとなった。
詳細設計における施設規模は、駅舎がS造2階建て、延べ床面積1384・58㎡(1階=328・4㎡、2階=1056・18㎡)。内部には、駅事務室、休養室、職員トイレ、倉庫、店舗、乗客用トイレ、電気室、エレベーター2基、エスカレーター2基、階段を配する。
自由通路はS造2階建て、延長103・15m、幅員5m。延べ床面積は1282・96㎡で、1階が201・43㎡、2階が1081・53㎡。内部には観光案内所、公衆用トイレ、電気室、エレベーター2基、エスカレーター6基、階段など。
また西口側に観光展示施設を設置。祭りの山車や獅子などを展示し、来訪者に石岡の文化などを紹介する。
自由通路は、ガラス張りの部分を多く取り入れ、採光性確保などに配慮。電車の乗り入れなども自由通路から見ることができる。また西口広場からの入口やBRT側からの入口は門構えを意識した形状とし、来訪者や利用者をもてなす。
東口側自由通路の上には約30kWの太陽光発電パネルを設置し、普段は施設内の電灯などに利用。また蓄電池を活用し、夜間の照明にも活用する。
駅舎、自由通路の工事は、本年度に着工。早期の完成を目指す。
このほか市は周辺施設として、西口駅前広場とBRT専用駅前広場を整備する。
西口駅前広場は、既存の広場(既都市計画決定面積2700㎡)を4700㎡に拡張する。実施設計は㈱福山コンサルタント(茨城営業所=水戸市元吉田)。本年度は、電線地中化工事と駅橋上化の施工に伴う、駐車スペース確保に向けた工事などを行う予定。
BRT専用駅前広場は、5月31日に第1号工事の入札を執行。福井建設㈱(石岡市)が3280万円で落札した。
両駅前広場とも、駅舎、自由通路と同時期の供用開始を目指す。
【図=①石岡駅東西自由通路および橋上駅舎完成イメージパース(西口広場側外観)②東口からの鳥瞰③BRT広場側外観④自由通路内観】