鹿島建設(本社・東京都港区元赤坂1-3-1、社長・中村満義氏)と一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センター(略称A.C.E.J 東京都港区虎の門1-16-4、理事長・柏木孝夫氏)は、このほどホテル・イースト21(東京都江東区東陽6-3-2)において「“東京イースト21”へのスマートエネルギーネットワーク導入と今後の課題~既存施設の省エネルギーとBCP向上に向けて~」をテーマに共催でセミナーを開催した。
鹿島は自社所有のオフィス、ホテル、商業施設からなる大型複合施設「東京イースト21」(東京都江東区)において、施設全体のエネルギーの面的有効活用と電源の自立性を目指した「スマートエネルギーネットワーク」を構築しており、内外にアピールするためにセミナーを開催した。
セミナーは午後2時より開催された。同高度利用センターの石井敏康専務理事と鹿島建設の長谷川俊雄専務執行役員の2人が相次いで挨拶した後、同高度利用センターの柏木孝夫理事長が「エネルギー政策の今後」について語った。省エネルギーとBCP(事業継続計画)の両立や分散型電源の必要性や電力システム改革とデマンドサイドのデジタル化を訴えた。
次いで、鹿島建設建築設計本部の平岡雅哉次長が「“東京イースト21”へのスマートエネルギーネットワーク導入~既存街区の付加価値創造とオフィスのBCP向上への取り組み~」について語り、東京イースト21の施設全体の概要を説明した。「高効率ガスコージェネレーション発電機を導入し、そこから発生する熱エネルギーや電力を施設全体で面的に利用している。電源多重化による災害時のBCP性能向上を図っている」とアピールした。
東京イースト21は、オフィス棟、ホテル棟、商業施設などで構成する延べ14万平方㍍の施設群。オフィス棟の大型テナント退去に伴い、約25億円を投じて大規模改修を行った。高効率ガスコージェネレーション(熱電供給)システムを導入、ガスによる発電費比率が施設全体でピーク時でも4分の1を担うようし、オフィスやホテルなど需要パターンの異なる施設間で電気と廃熱を含む熱エネルギーを融通し合えるようにした国内最大級のスマートタウンだ。