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10件の新技術を発表/民間が開発、公共工事に普及/県が活用呼びかけ/土木技術講習会

2013/08/27 日刊建設タイムズ


 県と公益財団法人千葉県建設技術センターの主催による「土木技術講習会」(2013年度第1回新技術発表)が26日、県庁中庁舎10階大会議室で開かれ、10件の新技術を発表した。「新技術の活用」に向けた取り組みの一環として県では、民間が開発した有用な新技術や新材料について、03年度から年2回の割合で発表会を開催。県及び市町村、建設コンサルタント関係者に広く情報を提供し、公共工事への技術の活用と普及を図っている。昨年度までに287件の新技術が発表され、聴講者は延べ1800人を超えた。これまでに発表された新工法や新材料のうち、県内で採用された実績数は「117技術」にのぼるという。21回目となる今回の新技術発表には、発表者と聴講者合わせて100人余が出席した。



新技術の県内採用実績は117技術


 新技術の発表に先立ち、主催者を代表して県県土整備部技術管理課の土屋隆二・主幹(兼)技術情報室長は、会場を埋め尽くした聴講者の数に、「これらの新技術が着実に実績を重ねていることの証だと確信している」と述べたうえで、「本県では今後も厳しい財政状況が続く中、コストと品質の両面で総合的に優れた公共事業への転換を図り、一層のコスト縮減対策を推進することから、09年3月に千葉県公共事業コスト構造改革プログラム2009を作成した」と説明。

 施策の体系としては「6分野」「21項目」「130施策」からなり、その施策の一つとして民間技術を活用。民間技術の積極的な活用として「新技術」「新工法」「新材料」の活用普及が重要な施策として位置付けられることを説明した氏は、「本日の発表会にも公共事業の設計に携わる県内外のコンサルタント業協会から多数出席頂いている」と紹介。各会員らに対して「コスト縮減をはじめ品質確保、環境保全等のさまざまな課題に対応する新工法・新材料の採用に配慮頂いていることに厚くお礼申し上げる」との感謝の意を示した。

 また、活用・普及の広報活動の一環として、設計担当者が新技術を採用しやすいように、県職員には県庁ホームページの技術管理課と新技術の情報欄に、市町村の職員には、建設技術センター情報共有サイト(CCTCネット)にそれぞれ掲載していることを紹介した氏は、最後に聴講者、特に発注者に対して「各社の提案技術を記憶のうえ、今後の新技術のさらなる活用を期待したい」と要望し、あいさつとした。

 この日発表された10件の各新技術の概要等は次の通り。(発表順)


 【のリフレシュ工法】

 ▽部門=工法・法面補修工

 ▽特徴=老朽化した既設モルタル(コンクリート)吹付を取り壊さず法面の補修を行う工法

 ▽提案者・連絡先=ライト工業㈱千葉営業所/桑原美和氏/℡043-207-6616

 【マイルドベース他】

 ▽部門=材料路盤材

 ▽特徴=コンクリート・アスコン廃材等を有効利用し、中央プラント混合方式で製造するセメント・アスファルト乳剤安定処理路盤材

 ▽提案者・連絡先=前田道路㈱/佐々木隆博氏/℡03-3448-2231

 【高機能セラミック・コンクリート補修材「EAGLE8」】

 ▽部門=材料コンクリート補修材

 ▽特徴=完全無収縮、工期短縮、自然環境に優しい、厳しい施工条件に対応するコンクリート構造物のスピード補修材

 ▽提案者・連絡先=㈱イーグル・ヴィジョン/小川貫氏/℡03-6804-1160

 【デュアルシールド工法】

 ▽部門=工法管路構築

 ▽特徴=推進工法とシールド工法の長所を融合した新しい管路構築工法

 ▽提案者・連絡先=デュアルシールド工法協会/中村浩氏/℡03-3269-4714

 【赤外線サーモグラフィーによる橋梁路面調査】

 ▽部門=調査工法

 ▽特徴=赤外線サーモグラフィー法を舗装路面上から適用し、床版上面の損傷状況を客観的な画像データとして記録することを可能にした非破壊検査による橋梁健全度調査工法

 ▽提案者・連絡先=㈱補修技術設計/中馬勝己氏/℡03-3877-4642

 【高強度ネット斜面安定工法】

 ▽部門=工法斜面表層崩壊対策工

 ▽特徴=防食性に優れた高強度ネットと補強材との組み合わせにより、吹付枠+補強材と同等以上の機能を有する

 ▽提案者・連絡先=エコ・パワーネット工法会/林田秀典氏/℡03-5366-9838

 【プレキャストパラペット】

 ▽部門=材料コンクリート二次製品

 ▽特徴=既設護岸の天端部に設置することにより堤防の嵩上げと天端幅の確保の両立を可能とした

 ▽提案者・連絡先=丸栄コンクリート工業㈱/田内和篤氏/℡043-238-2451

 【防汚型 超耐久車線分離標「ウェーブポスト」】

 ▽部門=材料・視線誘導標

 ▽特徴=特殊断面の本体パイプにより、車両の衝突・踏付けから表面を保護する構造の高視認性車線分離標

 ▽提案者・連絡先=エヌティーダブリュー㈱/鷹雄眞二氏/℡04-7176-3781

 【ニューレスプ工法】

 ▽部門=工法吹付け法面の補修補強工法

 ▽特徴=老朽化した吹付け法面の補修・補強工法で、既設吹付コンクリートをはつり取らない工法なので安全性・経済性で優位となり、工期短縮も図ることが出来る

 ▽提案者・連絡先=日特建設㈱千葉営業所/山下徹氏/℡043-225-8023

 【PP工法他】

 ▽部門=工法耐震補強工法

 ▽特徴=特殊ポリマーセメントモルタル(マグネライン)を使用した耐震補強工法で、付着力保護性能に優れ、通常のRC補強に比べ3分の1~4分の1の施工厚さで施工可能であるため、河積阻害が問題となる案件等で採用されている。RC補強と同様に補強計算が可能

 ▽提案者・連絡先=前田工繊㈱/佐藤和幸氏/℡03-3663-9936



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