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長野県中野市

中野市の公共拠点施設立地/検討会で多数の委員が支持/庁舎は現地、会館は跡地に建替

2013/08/30 長野建設新聞

 中野市は28日、第3回公共拠点施設立地に係る検討会=写真=を豊田支所で開催した。立地適地における整備手法をメーン議題としたなか、委員の意見交換の場では、庁舎は現在の敷地に建て替え、市民会館は旧中野高校跡地に建て替えの意見が多数を占めた。

 老朽化が危惧される市役所庁舎および市民会館の立地について議論する同検討会では、第2回目の会合で市側から提出された現市役所所在地と旧中野高校跡地が適地とする評価結果が了承されていた。今回はこれに基づいて、庁舎・市民会館それぞれを建て替えか耐震補強か(庁舎については旧中野高校校舎活用を含む)、現庁舎敷地か旧中野高校跡地かで振り分けた12パターンの整備手法のメリット、デメリットをまとめた資料が市側から提出された。

 各パターンの説明に先立ち市側は、①防災拠点として庁舎を優先して整備する②庁舎の仮移転が必要となる整備手法は行わない③市民会館の場合は、他施設ぼ一時的代替利用想定する④旧中野高校敷地に移転の場合は都市計画用途地域の変更を行う、を整備手法の前提とする考えであると明示した。

 両施設を現在地に整備した場合は利便性が確保できる反面、駐車スペースや旧高校跡地の利活用の問題が生じる点や、旧高校跡地に建設する場合は敷地のうえでは十分となる一方で、官庁の集積地から離れてしまう不便さなどの点を説明。また、耐震補強で対応した場合は、改めて建て替えを検討する必要があるとして将来的な課題を挙げた。これに対し委員からは、財政面や施設内容に踏み込んだ質問が投げかけられた。

 指摘された財政面に関しては「12いずれのパターンでも対応は不可能ではない」としてうえで、過去に試算した数字として両施設を建て替えたケースが最大となる49億8000万円で、庁舎建て替え・市民会館耐震補強が30億3000万円、逆のパターンが28億1000万円、両施設を耐震補強で対処した場合が8億6000万円とする概算費用を示した。

 これを踏まえての各委員が自らの考えを述べた意見交換の場では、両施設ともに建て替えで対応し、庁舎は現在地、市民会館は旧高校跡地に整備する案を推す声が多数を占めた。

 会合の最後に池田茂市長は「場所についてはコンセンサスが見えたように思える。次回の会合に向けて、具体的な方向性を決めたい」と述べた。

 次回第4回会合は10月2日で、事務局サイドからは財政シミュレーションを提示する予定。


ウエブ/中野市公共拠点施設立地検討会005483.jpg

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