長野労働局は労働災害が3年連続増加していることから、19日、上田労働基準監督署管内の建設現場2カ所を対象とした緊急パトロールを実施した。
県下の建設業労働災害発生状況は、8月末現在で前年同期より7人増加の168人(4.3%)となっており、死亡者数は4人。上田労基署管内では、死亡事故はないものの休業4日以上が3倍にも増えている。
長野労働局の八木健一労働基準部長は増加の原因について「長引く不況で人材不足のなか、消費税増税の影響で現場が忙しくなったことも要因のひとつ。今後もさらに公共投資が見込まれる。ここで何とか歯止めをかけ、減少させたい」と強い決意とともに労災ストップを呼び掛けた。
パトロールは、建設業労働災害防止協会県支部上小分会のメンバー14人も同行して、上田市発注の交流・文化施設と市道丸子小牧線のトンネル工事現場に足を運んだ。
このうち、上田市天神の交流・文化施設の現場(写真)では内装、外装、設備工事が鋭意進められているところで、作業員408人が工事に当たっていた。参加者は2班に別れ、現場代理人の説明を受けながら内外を見て回った。
現場代理人は「熱中症になりかけた人が数人いたが早い処置で大事には至らなかった。熱中指数計(写真)を置き、周知徹底を図っている」など安全対策を説明しながら、構造や内部での注意箇所を指摘し、案内した。
施工を担当する鹿島建設・宮下組JV現場事務所の細野和幸所長は「遠慮なく指摘して指導していただきたい。会社全体で参考にしたい」と話していた。
労働局では次回、岡谷地方でのパトロールを予定している。