国土交通省北陸地方整備局千曲川河川事務所(宮武一郎所長=写真)は25日、建設労働災害防止大会を長野市内で開催した。同局の「建設労働災害防止週間」の活動の一環として開かれた大会には、発注者・受注者およそ100人が参加。一層の安全対策徹底の意思統一を図った。
冒頭、宮武所長は8月末現在における労働災害発生状況について「過去5年間で最少、管内で大きな事故も起きていない。日ごろの安全管理の積み重ねの結果」と感謝を述べるとともに、「現在は出水期で工事が抑制されているが、11月からは本格化する。雪の多い地域では限られた時間の中で工事を行わなければならず効率的な施工が求められるが、他方で安全対策には万全を期す必要がある。本日を契機に、一層の安全対策の徹底を」と呼びかけた。
大会では、長野労働局の野池弘産業安全専門官が「長野県における第12次労働災害防止推進計画について」と題して講演。同推進計画の位置づけ、比較的死亡災害が多い建設業を減少対策の重点業種とした点などを説明するとともに、計画のなかで「死亡者数を30%以上減少させ5人以下とする」の目標を掲げ、墜落・転落災害や重機災害の防止対策を推し進める点を強調した。
また、休業4日以上の死傷災害が3年連続で増加していることを踏まえ、10月から「信州・90日間無災害運動」を展開するとして協力を求めた。
続いて、建災防長野県支部の柴田房夫講師が三大災害のうち重機事故に的を絞った対策について講演し、過去の車両系建設機械や移動式クレーンの事故事例を取り上げ、元方事業者が講ずるべき措置などを示した。
さらに本年度、同整備局における安全管理優良受注者の表彰を受けた2社による事例紹介が行われ、鹿熊組は石坂浩志氏、藤森建設工業からは倉科健氏の両現場代理人が、各現場で実践した安全対策を説明し、情報の共有を図った。
【写真=100人近い参加者が講義に耳を傾けた】