サッカーのJFLに所属する「ザスパ草津」のJリーグ昇格が現実味を増す中で、Jリーグの規程をクリアするホームスタジアムの確保をどうするか等を協議するJリーグ発新ぐんま活性化プロジェクトは16日、「県営陸上競技場(前橋市敷島町)を改修して対応することが適当と考える」との中間報告書を小寺知事に提出した。
この改修費には8億円余りが見込まれており、観客席の増設(2000席)やピッチ、照明設備等を改修する。
県では、これらの事業費を9月議会で補正予算化する模様で、各工事についても秋口から順次発注する。
同プロジェクトは、ザスパ草津のJリーグ昇格に備え地域経済の活性化等を実現するための方策提言を目的に、県、公募県民らで構成。
当面の課題として、9月30日までに日本プロサッカー協会へJリーグへの参加申請を行わなければならないことから、新設する場合と、前橋市の敷島公園内に既存の県営サッカーラグビー場又は県営陸上競技場の改修--の3案に絞って協議。
この3案の中から、最終的に県営陸上競技場を改修することが最も望ましいと判断。
決め手となったのは事業費。新設の場合は巨額の事業費がかかり、同じ改修する場合でも県営サッカーラグビー場を改修するには、敷地の拡張や照明設備の設置などに約50億円が必要となる。
これに対して陸上競技場は約8億円に抑制できると試算。
現在の陸上競技場は、面積が3万4051㎡、ピッチは101m×75m、観客席はスタンド席が8000席、芝生席が1万990席。
具体的な改修内容を見ると、まずピッチ改修に約1億8000万円を投入して、ピッチの広さを106m×71mに再整備。このサイズに設定したのは、Jリーグ規程には満たないものの現実的に承認されているため。このほか、芝生撤去、常緑芝設置、地盤改良(砂の3層構造)、サークル移設、スプリンクラー設置等を行う。また、照明設備改修に約1億6000万円を試算。現在の1000ルクスから1500ルクスへと能力をアップ。ランプ交換やキュービクル改修、配管配線の増設、照明パターンプログラム開発などを行う。
観客席の増設では、およそ4億6000万円を見込んでいる。
2000席分を増やして1万席を確保するほか、バックスタンド側へのトイレ改修、外周部遮音壁設置、物品庫設置、記者席設置(50席)、審判更衣室へのシャワー設置等を整備する。
県では、9月議会で今回の報告書で試算された約8億円程度の補正予算案を上程する見通し。
工事スケジュールとしては、観客席は17年度施工となるが、それ以外は今年度に実施。
ピッチ(コート)は工事完成後の養生期間が必要なことから10月頃までに設計を入札し、工事についてもスプリンクラー、記者席、シャワー室を含めて11月頃に発注。
照明についても補正予算可決後、早期に設計を委託し、工事も年内中に発注する。一方、観客席の増設工事は、予算可決後に測量を行い、10月頃までに基本・詳細設計を委託、工事は17年度早期(4月にも)に発注する。
財源確保の面では、一般財源等を確保するとともに県民や企業からの募金、サッカーくじや宝くじなども視野に入れるとしている。