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千葉県木更津市

要求水準書案を公表/木更津市庁舎整備/ランドマークとして景観創出

2013/12/02 日刊建設タイムズ


 木更津市は11月29日、市庁舎整備事業(PFI)要求水準書案を公表した。外観計画では立地を活かし、中の島公園や鳥居崎海浜公園、東京湾への眺望や見晴らしを考慮したデザイン・意匠を工夫することとし、配置等では「木更津市らしさ」を取り入れた、ランドマークとしての景観を創出できる計画とすることを求めた。

 付帯業務は、食堂・カフェ運営、売店運営、自動販売機運営、その他提案事業とし、食堂は最上階に展望ラウンジとともに配置し、カフェ・売店は1階に設置する。食堂は眺望を活かし、木更津ならではの名所「森・里・まち・海を結ぶ見晴らし軸」を体感できるよう配置し、地域性に着目した市民交流ゾーンを計画する。営業日は開庁日とし、食堂が午前11時から午後3時まで、カフェが午前7時から午後8時まで、売店が午前8時から午後8時までとする。

 庁舎の規模は8階建て延べ1万8000㎡以上1万8900㎡以下。構造は免震構造(基礎免震)を採用し、用途係数は1・5とする。津波対策として地盤面を現状のT・Pから4・1m(現状T・Pは+3・1m)まで嵩上げする。

 駐車場は、敷地東側に来庁者用の普通車260台以上と、公用車用として敷地北側に車庫棟を整備する。来庁者用は、約100台分を利用者が雨に濡れずに市庁舎にアクセスできるように動線を工夫する。公用車用は、普通車10台、バス(40人乗り程度)3台収容可能な、備蓄倉庫を併用したS造平屋建て約500㎡の車庫棟と、普通車20台収容のS造2階建ての車庫棟を整備する。2階建ての2階部分は書庫を併設する。

 環境計画では、事業期間内にCASBEE(建築物総合環境性能評価システム)による評価を行い、BEE値(環境性能効率)1・5(Aランク以上)の確保が確認できるようにするほか、太陽光発電や雨水利用、自然採光、自然通風、自然換気など自然エネルギーの積極的利用に配慮するとともに、耐久性コンクリートやメンテナンスフリー材料、コージェネレーションシステムの採用など維持管理費節減に考慮し、屋上緑化、壁面緑化など総合的な緑化を行うことを求めた。太陽光発電は30kw規模の施設を整備する。

 庁舎は、市民交流、窓口サービス、災害対策、事務室、市議会の5ゾーンにゾーニング。1、2階を窓口サービスゾーン、3階を市議会ゾーン、4~7階を事務室ゾーン、1階と8階を市民交流ゾーン、5階を災害対策ゾーンとした。各階の構成は、1階が市民部、福祉部のほかカフェ・売店、防災センター、総合案内等、2階が財務部、会計室、経済部、農業委員会、選挙管理委員会、3階が市議会、4階が教育部、環境部、5階が総務部、市長関係室、6階が企画部、総務部、7階が都市整備部、8階が食堂、展望ラウンジ等。

 今後の事業スケジュールは、今月下旬に総合評価一般競争入札を公告し、4月下旬に落札者を決定し、5月上旬に基本協定を締結し、5月下旬にSPCと特定事業の仮契約を締結。来年6月議会の議決を経て契約。その後、事業者が設計に入り、16年9月末までに竣工・引き渡しを行い、10月1日から供用を開始し、維持管理・運営をスタートさせる。さらに16年12月から既存庁舎を解体し、その跡地に駐車場を整備する。


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