県は、現行の入札・契約方式「かながわ方式」に関し、19年度の導入から7年が経過したことから"総点検"と称し、見直し作業を進めている。その中では、災害時に復旧活動に当たる企業を対象にした「いのち貢献度指名競争」の試行も本会議で明らかになった。12日の建設常任委員会ではその詳細が示された。250万円超から1億5、000万円未満で、県土整備局発注工事を対象に採用していく。社会貢献、同種の施工実績、重機等の保有状況などを基準に選定する。
県では、総点検作業に当たって、現状の建設業界を取り巻く現状を民間・公共工事の減少と過当競争化、労働者の雇用環境の悪化、技術者・技能労働者の不足と高齢化進展、今後の県内公共工事の需要拡大にある一方、県の入札事務を取り巻く現状として、組織のスリム化と職員の事務負担増大、公共工事の早期執行の要請などがあると分析したうえで、頑張る地域の建設業者の適切な評価。評価を発注に結びつける新たな仕組みづくり。労働福祉の充実の条件化などの対応が課題とし、その対応策として一つとして指名競争を用いた制度を試行していくことを考えた。
県議会で明らかになったいのち貢献度指名競争入札は、総点検のなかで地域の建設業者は、県民の安全・安心「いのち」を支える担い手として、重要な役割を果たしていることから、将来にわたって、こうした担い手を確保していく必要があるという判断の下、現行の条件付一般競争を原則としつつも、事業者に対するきめ細かい評価を発注につなげることが可能であり、手続き面でも迅速性を持つ有効性に着目し、試行する。
指名に当たっては、250万円超から1億5、000万円未満の県土整備局発注の工事で、社会貢献企業、過去の同種工事の施工実績、本社・支社の地域近接性、重機等の保有状況、若手技術者の育成努力、優良工事施工業者、前年度工事評価点の成績、その他各種表彰実績を基準に業者を選定する。
工事系委託は、見積もり公募において見積書を提出した者、過去の同種業務履行実績など。
運用に際しては、電子入札システム利用による事故防止対策のほか、指名選定基準の公表等、透明性の確保を図る。
総点検のなかでは、指名競争入札以外に、条件付一般競争入札で、地域要件の設定範囲見直しによる地元建設業者の発注機会の拡大。社会保険未加入企業の入札参加制限の導入などについて、引き続き検討を図っていく。
















