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茨城県水戸市

泉町1丁目開発等盛る/「第5次総合計画」骨子素案

2004/08/31 日本工業経済新聞(茨城版)

 水戸市が市の将来の都市づくりの基本指針として策定を進めている「水戸市第5次総合計画」の骨子素案がまとまり、今月23日から市のホームページなどで公表した。現在、市ではパブリックコメントにより素案に対する市民の意見を広く募集している。提出期限は今年9月24日。提出先は、水戸市役所・市長公室政策企画課まで持参、郵送、FAX又はEメールなどで提出する。

 市では現在、市民の夢を育む活力のある元気な都市の構築に向け、平成17年度を初年度とする「水戸市第5次総合計画」の策定を進めている。

 計画の内容は、平成31年度までの15年間の「基本構想」と平成26年度まで10年間の「基本計画」で構成され、市の目指す将来像や実現するために必要な施策大綱を定めるほか、基本計画の中では具体的施策・到達を目指す目標水準などを定めている。

 このほど、公表した骨子素案によると、基本構想では都市づくりの理念として「◆市民の夢を育む活力のある元気な都市の構築<1>県都としての求心力の再生<2>個性と魅力にあふれる50万都市構想の実現<3>50万都市構想の核となる水戸市の魅力の創出と強化<4>豊かな自然環境と歴史的資源の保全<5>地域経済の活性化<6>都市機能等の有効活用、一層の集積◆水戸市に住んでいてよかったと思える都市づくりの推進」などを挙げ、市の目指すべき将来都市像(将来の都市イメージ)を「県都にふさわしい風格とやすらぎのある元気都市・水戸」と定めた。

 都市づくりのグランドデザインは、将来ビジョンである50万都市構想の視点に立ち、多様な交流・ネットワークの創造・発信を目指すとし、将来都市像を実現するために<1>元気で活力にあふれ、人が生き生きと交流するまちづくり<2>人と自然が共生し、快適に暮らせるまちづくり<3>思いやり、助けあい、安らぎの心を育むまちづくり<4>次代を担う人材を育むまちづくり<5>市民主体の個性ある自立したまちづくりの5項目を都市づくりの目標に定め、各種施策を展開する。

 人口及び経済の展望では、目標人口は現在の市域における「30万都市」を展望しながら、平成31年度での人口を28万5000人に設定した。経済の見通しでは、経済成長率は段階的に上昇し、平成31年度に1・5パーセント程度になるものと見込んでいる。

 都市空間整備構想では、都市的魅力と潤いのある緑や居住環境が調和する「にぎわいと静けさの共存する都市づくり」を都市空間整備の基本的方向に設定し、「水と緑のネットワーク」を基調に「都市核を中心とする拠点のネットワーク」の形成を目指す。

 一方、より具体的な施策を定める基本計画(平成17年度~平成26年度)では、リーディング・プランとして<1>観光交流拠点の形成<2>中心市街地交流拠点の形成<3>体験交流拠点の形成<4>スポーツ交流拠点の形成<5>多世代交流拠点の形成の5つのプランを設定、計画の具現化を目指すとしている。

 主要施策のうち主なハード事業をみると、中心市街地の活性化として◇市街地再開発事業の推進(泉町1丁目南地区、同北地区、大工町1丁目地区、事業主体=組合)◇南町・県庁跡地周辺地区整備(道路・景観整備等、事業主体=市、民間)◇水戸駅南口周辺地区整備(水戸駅南口土地区画整理事業、関連公共施設整備、事業主体=都市再生機構、市)◇街路整備(中心市街地、泉町天王町線ほか2路線(4工区)、事業主体=市)を、拠点開発の推進として◇赤塚駅周辺地区整備(街路整備、赤塚駅水府橋線ほか3路線(4工区)、事業主体=市)、◇内原駅周辺地区整備(同駅北土地区画整理事業、駅前広場(南、北)整備等、事業主体=市)を、総合交通体系の確立として◇交通バリアフリー関連施設整備(交通バリアフリー基本構想に基づく歩道、ペデストリアンデッキ等の改修)を盛り込んだ。

 また、農業水産業の振興では、◇農業生産基盤整備(県営畑地帯総合整備事業3地区、経営体育成基盤整備事業5地区、那珂川沿岸農業水利事業、排水路整備事業11地区、ため池整備事業4地区、農道整備事業7地区)◇農業集落排水事業(継続3地区、新規4地区、事業主体=市)◇農村下水道事業(処理施設改築促進等、事業主体=組合)◇ふるさとコミュニティセンター等整備(ふるさとコミュニティセンター等建設促進3地区、事業主体=地元)を、流通の振興では◇公設地方卸売市場第3次整備事業(青果買荷保管積込所・青果加工所・倉庫整備、事業主体=市)を、循環型社会の構築では◇廃棄物処理関連施設整備(中間処理施設整備、リサイクルプラザ整備、清掃工場施設機能保全整備、清掃工場周辺環境整備、最終処分場整備、第二最終処分場跡地整備等、事業主体=市)、見川クリーンセンター大規模改造(同センター施設整備、事業主体=市)などを計画。

 道路整備では◇道路新設改良(整備延長4万500m、市)◇側溝新設改良(整備延長5万1000m、市)◇狭あい道路及び後退敷地整備(整備延長3万3000m)◇舗装新設(市道舗装4万6000m、認定外道路舗装4万m、市)◇橋りょう改良(橋りょう整備10橋、市)◇街路整備(都市計画道路中大野中河内線ほか21路線(32工区)、市)を、河川整備では◇河川改修(沢渡川、石川川、狭間川、市)を、公園・緑地整備では◇公園等整備(街区公園11か所、近隣公園1か所、地区公園1か所、総合公園1か所、風致公園1か所、都市緑地7か所、市)◇都市公園リニューアル整備(千波公園、近隣公園、街区公園等のリニューアル整備、市)などを、上水道整備では◇配水管整備(配水管布設、布設替)◇施設整備(浄水場設備等の更新・改良、市)などを、下水道整備では◇公共下水道の整備(汚水幹線及び枝線整備(普及率=平成26年約80%)、ポンプ施設改築、浄化センター改築、雨水管整備等、市)◇流域下水道の整備促進(那珂久慈流域下水道水戸幹線、那珂久慈浄化センターの整備促進等、県)◇広域汚泥焼却施設の整備促進(那珂久慈ブロック広域汚泥共同焼却炉建設の促進、県)◇合流式下水道の改善(放流水水質改善に向けた施設整備等、市)などを見込んでいる。

 この他、住宅・住環境整備では◇市営住宅建替え(320戸、市)、斎場・霊園整備では◇斎場整備(火葬炉改修、市)◇墓地整備(公園墓地整備、新設1000基、市)。

 教育福祉施設関連では◇市立保育所整備(増改築3か所(定員60名増)、改築1か所、市)◇子育て支援拠点施設整備(中核的子育て支援センター、新設1か所、市)◇市立養護老人ホーム整備(酒門老人ホーム改築、市)◇特別養護老人ホーム整備促進(新設促進8か所、民間)◇老人福祉センター整備(新設2か所、市)◇公民館整備(改築4館、新設2館、市)◇図書館整備((仮)見和地区図書館建設、(仮)常澄地区図書館整備、(仮)内原地区図書館建設、市)◇幼稚園舎整備(改築7園、大規模改造6園、通級指導教室設置2園、市)◇小学校施設整備(増改築7校、改築2校、大規模改造6校、屋内運動場改築5校、プール改築4校、市)◇中学校施設整備(増改築2校、大規模改造3校、屋内運動場改築1校、プール改築2校、市)◇青少年交流施設整備(新設1か所、市)◇少年自然の家大規模改修◇青柳公園施設改修(市民プール改修、市民体育館改修、市)、市立競技場大規模改造等を計画している。



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