県前橋土木事務所は、牛池川改修事業の一環として展開している水辺の楽校整備に係わる調整池エリアの残る掘削工は17年度以降に実施する。
同事業は、河道の拡幅や法線修正を行うほか、下流側には人家が密集し河道拡幅が困難なため上流部に調節池を整備し、集中豪雨等の際に洪水の一部を貯留し下流域の洪水量軽減を図るもの。整備対象区間は、牛池川最下流部で染谷川との合流部から前橋市と群馬町の行政境付近の約2800mで、平成2年度に採択となった。
平成10年には当時の建設省から水辺の楽校プロジェクトに登録された。これを受け、地元の学校関係者やPTA、自治会などで水辺の楽校推進協議会を設立。NPO団体等とも連携し、子どもたちへ自然体験の場や遊びの場となる安全な水辺空間を整備する。
水辺の楽校エリアは、元総社中学校と元総社北小学校の前の「学校前エリア」と、この上流部の「調節池エリア」に区分。このうち、調節池エリアの区域面積は、約3・1ha。調節池の能力規模は約4万1000tで、台風や集中豪雨の際に下流域の洪水被害を防止するため一時的に雨水を貯留する役割を担うが、通常時にも有効活用できるよう多目的広場や散策路、せせらぎ等を設ける。このほど、同エリア全体の実施設計を建設技術研究所(さいたま市浦和区上木崎1-14-6電話048-835-3501)へ委託した。
掘削工事は、すでに学校寄り(下流側)の約1万5000立方mを15年度に発注しており、今年度に繰り越されている。同エリアで残る掘削工や越流堤(約140m)、護岸工事等は、次年度以降に実施する。
一方、学校前エリアは、木製デッキ、渡り石、せせらぎ等を設け遊びや学習機能を高める。今年度の事業計画は、今回委託した調節池エリアの実施設計や用地取得、文化財調査等のほか、薬師橋下流部の護岸工を発注する。区間延長は約25mで両岸を整備するため実延長は約50mとなり、環境に配慮した間知ブロックを整備する。