新潟県は、「7・13豪雨水害」により破堤した三条市の五十嵐川について、今後の豪雨災害防止に向けて拡幅工事を実施する方針を固めた。年内にも具体的な改修計画を作成する予定。改修にあたっては、堤外の家屋を移転する必要があり、移転等に係る費用を含めた改修事業費にはおよそ300億円を見込む。また、その他現状回復に向けた災害復旧事業費には100億円以上掛かる見通しだ。 改修の対象区間は、五十嵐川と信濃川の合流地点から三条市西大崎1丁目「渡瀬橋」までの4・4km。現状の川幅は70m~100mであるが、今回100m~110mに拡幅する計画。
現状の流下能力は、最大1100t~1200t/sであるが、「7・13豪雨水害」規模の雨量にも耐えられるよう1800t/sの能力を持つ河積確保を目指す。
拡幅工事の実施にあたては、約200戸の家屋移転が必要となる見通しで、県では年内に改修計画をまとめ、来年1月から住民説明会に入る意向。代替地の選定・整備等は三条市サイドが進める予定だ。
なお、県では「7・13新潟豪雨洪水災害調査委員会」を設置し今後の再発防止策検討に向けて、洪水の検証と破堤のメカニズムの技術的な検討を行う方針で、年内にも調査結果をまとめる見通しである。