さいたま市総合政策部は、9月補正予算案に、基本計画調査費340万円を計上して、埼玉新都市交通(ニューシャトル)大成駅の設備改良に向けた調査に着手する。JR東日本が今年2月に発表した、東京・千代田区神田の「交通博物館」を大宮区大成町に移転し、19年度中の開業を目指す「鉄道博物館」に伴い、バリアフリー化、改札口の改修などを計画している。
大成駅は「鉄道博物館」の最寄駅となり、開業後の乗降客が相当数に達すると予想され、現状の駅舎構造では、対応しきれないと判断。
基本計画調査では、エレベーター、エスカレーターの設置ほか、改札口の拡幅、博物館までの通路と、上屋構造などを検討。17年度以降で設計費などを計上し、博物館開業に備える。
市が長年にわたって誘致活動を進めていた「鉄道博物館」の移転先は、大成町3、4丁目のニューシャトル大成駅隣接地。敷地面積は4万2500㎡。施設計画では、歴史・教育の2ゾーンで構成。鉄道30両などを展示する施設規模は2階建て、延べ床面積は約1万9800㎡。工事費約123億円を投入する。
現在、JRが整備に向けた各種調査などを進めているところ。
施設内容は、運転シュミレーター、ミュージアムショップ、多目的ホールなどの「歴史ゾーン」とし、可能な限り実物を活用し、当時の状況を再現するほか、時代を代表する車両約30両を展示。屋外にはミニ運転車両、公園、駐車場を設ける。
2階の教育ゾーンは、模型鉄道ジオラマなどを配置。
事業方式は財団法人・東日本鉄道文化財団が新博物館施設の建設および運営を行う。市も整備基金を設けており、これまでに約25億円を積み立てるなど、市の新たなシンボルとして〝拍車〟がかかってきた。