松本市は12日、2014年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比1.5%増となる877億8000万円。ただし増額は臨時福祉給付金によるもので、これを除くと実質0.4%の増。普通建設事業費は同比9.7%増の105億2854万円。新規事業として市営住宅寿団地の建て替え、老朽化公園改築、南部地域子育て支援拠点整備に事業費を計上。また南松本複合福祉施設の新設事業では工事費を計上している。自転車競技場移転新築および跡地サッカー場整備にも工事費が盛り込まれた。
市営住宅寿団地の建て替えには事業費1億2787万円を計上。老朽化した準耐火構造2階建ての住宅を、中層耐火構造に建て替える。3階建て5棟111戸を計画。2014年度は地質調査、設計、移転補償、除却工事を予定している。
老朽化した公園は、長寿命化計画に基づいて改築する。2014年度は蟻ヶ崎公園ほか13カ所が対象で、事業費は6001万円。
南部地域の子育て支援拠点「つどいの広場」は、専用実施場所を増築する。設計費492万円、工事費4801万円。増築部分は木造平屋建て140㎡。
南松本複合福祉施設「あるぷキッズ支援事業拠点施設」の新設および南部保健センター・松南地区福祉ひろば・南ふれあいホーム移転では設計費835万円、工事費3億997万円を計上。施設規模はS造3階建て延べ3300㎡。
放課後児童クラブ整備事業は、芳川児童センター大規模改造に合わせて隣接地に増築するもの。設計費308万円、工事費4576万円。
また老朽化したかりがね自転車競技場の移転新築事業では工事費6億3600万円を、また管理棟工事に5013万円を計上した。跡地に整備する(仮称)かりがねサッカー場整備には工事費11億6502万円を設定している。
「危機管理関連」としては、上高地徳沢園地利用者・管理者の安全確保のため、徳沢仮橋の補強工事を行う。事業費1084万円。また国宝松本城天守の耐震診断に1457万円を計上した。
このほか橋梁整備は、長寿命化計画に基づいて橋長5m以上の老朽化した施設について補修する。事業費1億500万円。また県奈良井川改良事務所施行の河川改修に合わせ、源橋の架け替えを行う。事業費1億830万円。
福祉分野では、市内12施設のデイサービスセンターにおいて改修および設備更新を行う。事業費は1958万円を計上した。
予算案に盛り込まれたその他の主な事業は次の通り。
■一般会計
【総務費】
文書館整備事業では、建設工事に3億5405万円を計上。建設場所は鎌田の第二給食センター跡地。
パークアンドライド事業は平田駅駐車場を拡張するもので、市街地への自動車流入の抑制を図る。工事費1525万円。
開館から10年が経過したまつもと市民芸術館では、舞台設備修繕を行う。事業費3463万円。
2015年度に開館30周年を迎える音楽文化ホールでは、機能維持のため小ホール改修を実施。工事費2億9955万円。
【民生費】
1973年建築の老人憩いの家「銀山荘」では、今後の施設整備に向けて耐震診断を行う。委託料410万円。
村井保育園における屋根・床・FF暖房機の改修、保育園9園の一時保育室および未満児室への冷暖房設備設置には工事費3346万円。
老朽化した神田保育園の改築には設計費831万円を計上。工事は2015年度。施設規模はS造2階建て延べ877㎡を予定。総事業費は4億8000万円になる見通し。
保育園大規模改造事業では、2014年度の寿保育園改修工事に7315万円、波田ひがし保育園改修設計に182万円。2015年度は波田ひがし保育園改修工事を計画している。
【衛生費】
市内公衆トイレ改善計画に基づき、安心・快適・親しみを目指して整備を行う。図書館前(中央図書館隣接)建て替え、南松本(総合社会福祉センター敷地内)の工事に1731万円を計上。
【農林水産業費】
補助林道整備事業として、栗の木線開設(L160m、事業費1815万円)、高遠線開設(L240m、2105万円)、美ヶ原線改良(L84m、1870万円)、湯ノ原線改良(L57m、1347万円)を行う。林道奈川安曇線改良(L98m)は事業費3063万円。
【商工費】
東山地域観光施設事業には測量委託144万円、工事費2424万円。浅間温泉松本信用金庫跡地で、地域住民・観光客の憩いの場を整備する。
美鈴湖畔へのサイクリングコース整備に向けた測量委託には945万円を計上した。
【土木費】
交差点改良は市道7013号線・2159号線ほか4カ所で予定、事業費3162万円。交通安全施設整備は路肩整備・区画線・路面標示・反射鏡設置などに6336万円を計上。
道路改良事業では、市道7817号線(新松本工業団地アクセス道路)に1億6199万円。2014年度は道路改良660m、用地購入を行う。
橋梁整備は、月見橋(笹部)において予備設計、ボーリング調査に1755万円を計上。総事業費は14年度からの5カ年で14億円超を見込んでいる。
【教育費】
小学校大規模改造事業が、芝沢小で実施設計に1018万円を、並柳小で実施設計に1010万円を計上。ともに15年度に第1期工事、16年度に第2期工事を行う。総事業費は両校とも約5億円。
13年度に実施設計を行った梓川小校舎増築事業は、14年度に工事費8610万円を盛り込んだ。
中学校は、波田中大規模改造事業が実施設計費1054万円を設定。15年度第1期工事、16年度第2期工事を実施する。総事業費は約6億円。
■企業会計
【水道事業】
資本的支出は前年度当初比39.0%減の19億924万円。
遠方監視制御設備更新工事8789万円、蟻ヶ崎台送水管耐震化工事7992万円、城山配水池耐震補強工事1億1397万円などを計上。
【下水道事業】
資本的支出は前年度当初比10.8%減の54億9729万円。新規として渚中継ポンプ場改築工事委託費9390万円、同補強工事委託費2100万円を計上。同事業は15年度までの債務負担行為で、限度額は3億9550万円。
両島浄化センターでは、耐震診断委託に1900万円、長寿命化計画策定委託に1200万円。
<当初予算案主要事業一覧は15日に掲載>