リニア中央新幹線を経済活性化へ活かそうと、伊那・木曽の地元商工団体も本格的に動き出した。6日には「リニア中央新幹線伊那谷・木曽谷経済活性化協議会」(会長・柴田忠昭飯田商工会議所会頭)が県庁に阿部守一知事を訪ね、新年度から本格的に活動を展開していくため協力と理解を求めた。
当日は柴田会長をはじめ、会員を構成する各地の商工会議所から会長らが出席。柴田会長は「観光を切り口に皆でまとまり発展していくため、新年度から本格的に活動に取り組んでいきたい」と述べると、阿部知事は「リニアは大きな転期になるものと考えており、長野県全体の振興へどう結び付けていくかが大きなテーマだ。県も組織体制を4月以降レベルアップをしていこうと思っており、リニア推進担当部長や私が本部長を務める地域振興本部など、県庁の中を部局横断的にリニアを活かすための体制を整えていく。また下伊那地方事務所長に現地の本部長をさせようと考えており、地元皆様の近くで対応できる体制も整えていく。県としても道路をはじめとした投資をしっかりと行っていくが、皆様方と県の取組が一体となって効果をあげるようがんばっていきたい」と協力を求めた。
協議会は主な事業として、経済発展のための研究や提言活動を行うとしており、当日は柴田会長が阿部知事に対して、リニア中央新幹線を活かした「伊那谷・木曽谷ビジョン策定」の提言書を手渡した。それには目指すべき姿や地域間競争に打ち勝つ地域力の強化、ゲートウェイの整備が盛り込まれ、地域産業の国内外へのビジネス展開が図られる木曽谷・伊那谷の実現などが提言されている。ゲートウェイ整備では、リニア駅が玄関口としての役割が期待されていることから、地域拠点間のアクセス強化が重要とし、道路面では中央道スマートICの整備、拠点間移動を支える国道19号や153号の強化と、それに並行する道路ネットワークの整備、伊那谷と木曽谷の連携を図る国道256号と361号の強化、広域観光や代替路としての三遠南信自動車道の整備が重要としている。