(財)茨城県環境保全事業団(理事長=角田芳夫副知事)は、笠間市福田地区に建設を進めている公共処分場「エコフロンティアかさま」の進ちょく状況を、このほど開かれた県議会環境商工委員会の県内調査で説明した。それによると、今年7月末現在で、最終処分場の進ちょく率は第1工区が60%、第2工区が54%。溶融処理施設は7・3%で、建築工・プラント工を進める。浸出水処理施設は18・5%。その他、関連下水道工事は7月に、管理棟兼環境学習施設は9月に着工となり、主要施設はほぼ工事着手となった。今後は、各施設の進ちょくを図るとともに、環境学習施設の展示実施設計を進め、来年度に展示工事を予定。稼働は来年9月ごろを目標としているという。
各工事の進捗は次の通り。
◆最終処分場
<1>第1工区(鹿島建設ほか5者JV)=土工は切土約95%、盛土約80%、掘削100%。正面切山アンカー工100%。岩盤緑化工100%、地下水集排水管工約95%、置換コンクリート工約90%、外周路工約75%、鉛直遮水工100%、遮水工2%。全体の出来高割合は約60%。
<2>第2工区=(大成建設ほか5者JV)=土工は切土約95%、盛土約90%、掘削約95%。その他、防災調整池100%、貯留堰堤工約75%、外周水路工約50%、鉛直遮水工約90%、遮水工約10%、ライフライン工約70%。雨水放流管工は今年7月末に着工し、来年1月末完成予定。全体の出来高割合は約53%。
◆溶融処理施設(JFEエンジニアリング(株))
<1>土木建築工事=ごみピット、溶融スラグピット、破砕機室など地下構造物は、鉄筋、型枠工、コンクリート打設工が完了し、周囲の埋め戻し作業もほぼ完了した。今後は、地表部の基礎、地上部の壁、柱の鉄筋、型枠組立、コンクリート打設工を行う。
<2>設備工事=土木建築工事が終了した部分から設備の搬入・据付を実施。最初の設備として破砕機が7月20日過ぎに搬入・据え付けられた。今後、建築土木工事の進捗に合わせて、工場製作の設備・機械を搬入する。
◆浸出水処理施設(共和化工(株))=原水調整槽(1万800立方m)の建設を進めている。原水調整槽はA~Cの3ブロックに分けAブロックから施工。Aブロックは底盤のコンクリートを打ち終え、柱・壁部について鉄筋・型枠組立を行っている。今後、B、Cブロックと施工し、地下部の完成は今年12月の予定。地下部が完成後に周囲を埋め戻し、処理施設・建屋などの地上部工事に着手する。
◆下水道=15年度に設計・工事を県建設技術公社に委託し、友部・笠間下水道組合と協議、下水道接続の了解を得た。今年7月22日に全体(L3・25km)を5工区に分けて入札を行った。工期は来年3月まで。
◆管理棟兼環境学習施設
<1>建設工事(鈴木良・蔦屋JV)=S造2階建て延べ1773㎡(本館)、延べ61㎡(格納庫)。先月31日に入札を行い、今月から着工。工期は来年6月15日まで。
<2>学習展示=今年度に展示の実施設計。標準プロポーザル方式で設計委託者を選定。来年度に展示工事。