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長野県飯田市

飯田市の環境関連事業/省エネ設備設置などを(年度内に新会社設立)

2004/09/09 長野建設新聞

 飯田市は「環境と経済の好循環のまちモデル事業」(通称・まほろば事業)で、今年度は学校施設等への太陽光発電システム設置やペレットストーブ設置、商店街への省エネ設備設置などを計画している。今議会に上程した補正予算案でも工事費や補助金などを計上しており、了承されれば順次に事業を推進する方針。

 事業は、環境省が全国の市町村から二酸化炭素排出削減などの環境保全と経済活性化を実現するアイデアを募集し、採択した事業に対して施設設置等の交付金を交付するもの。今年度は11の自治体がモデルとして選ばれている。大規模事業は飯田市や福島県いわき市など6市、小規模事業は岩手県住田町など1市4町が対象。事業は3箇年で行なわれ、飯田市など大規模事業の場合は計約5億円が交付される見通し。

 飯田市では事業推進にあたり新会社「(仮称)環境エネルギー飯田」の設立を計画、すでに数社に打診している。市も出資するが第3セクターではなく、民間企業として年度内に立ち上げる方針。飯田市のまほろば事業のうち太陽光発電やESCO事業は、この新会社を中心に進めることになる。

 飯田市「まほろば事業」の概要は次のとおり。

◎ペレットストーブ設置

 座光寺保育園にはペレットボイラ設置を計画。補正予算案では1134万円を計上。ほかに小中学校、松尾浄化管理センター、環境技術開発センター、歴史研究所などにストーブを導入する。17年度には保育園20施設へのストーブ設置を計画している。

◎太陽光発電システム設置

 補正予算案では、すでに設置済みの緑ケ丘中を除く市内中学校7校への設置に1764万円、企業人材確保住宅への設置に1219万円を計上。また新会社設立に向けて太陽光発電市民出資施設支援事業補助金として6893万円を計上している。

 新会社は、施設や住宅の屋根を借りて発電設備を設置する。施設・住宅側は電気を電力会社に売り、その利益の一部を設備設置費として新会社が得ることになる。ただし当面は民間住宅の屋根を借りず、学校施設や保育園、支所などに設置する方針。

◎いいだ版ESCO

 ESCO事業は省エネルギーによる経費削減分で改修に要した経費を賄うもの。ビルなどで活用されるケースが多いが、飯田市では商店街を対象に実施する。新会社が商店に省エネ型の空調や厨房システムなどをリースし、商店は節減で浮いた経費の一部を新会社にリース料として支払うことになる。補正予算案では施設設置支援補助金として3465万円を計上している。



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