甲府市上下水道局が策定した「下水道総合地震対策計画」が明らかとなった。事業期間は本年度から2018年度まで。管路施設では、管更生(約1・5km)のほか人孔浮上防止(261カ所)などが対象。処理場やポンプ場は診断が中心としており、スクリーンポンプ棟は耐震壁を追加する。管路施設は本年度に診断を中心に実施し、来年度から一部で工事着手する。処理場やポンプ場は診断をメーンに進めるが、工事については調査結果をみて判断するため、計画期間内で実施するかどうかは決まっていない。総事業費は9億8300万円を試算。大半が診断を行ってから必要な工事を決めるため、変動の可能性もあるとしている。
同計画は、昨年度まで進めてきた「地震対策緊急整備計画」で盛り込まれなかった第1次緊急輸送路下のうち未整備となっている区間や、第2次緊急輸送路下など中心に策定。本年度の委託時期や年次計画は未定だが、今後、国の補助額確定を待ってスケジュールを決める。
主な計画では管路施設で▽管更生(大津処理区域=L約1・5km)▽人孔浮上防止(大津処理区=N199カ所・L約8・4km、峡東処理区N=62カ所・L約2・0km)▽ネットワーク化(大津処理区=N1カ所・L約1・0km)-を予定。本年度これらの診断を行ってから耐震化が必要かどうか決める。大津処理区はポンプを使用しているため東日本大震災で停電した際に影響が大きかったことから、住吉第1幹線へ管をつなげ自然流化できるようにネットワーク化する。
一方、処理場は▽管理本館▽脱水機管理棟▽スクリーンポンプ棟▽最初沈殿池1~3系▽処理水ポンプ棟▽塩素混和池-の診断を予定。スクリーンポンプ棟は耐震壁の追加も施す。ポンプ場は、汚水中継ポンプ場と雨水ポンプ場で診断する。
マンホールトイレについては、10カ所(50基)を予定。1カ所につき5基ずつ設置する。想定避難者数が多い場所から設置する予定。優先度の高い場所は、本年度中に詳細設計に入る可能性もあるとしている。
このほか、昨年度までに調査を終えたBCPは、上下水道局直営で策定する意向。資機材調達の協定締結のほか、仮設沈殿池や塩素混和池設置も予定している。
本年度当初予算には事業費5、500万円を計上している。
なお、可とう性継ぎ手は耐震性があることなどから今回の計画には含まれていない。