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新リサイクルセンターが竣工/総事業費25億、無事故無災害で/千葉市村田町に総合中間処理場

2014/06/18 日刊建設タイムズ


 総事業費約25億円を投じて丸徳興業㈱(本社・千葉市稲毛区轟町5-3-11、徳山晃弘・代表取締役会長)が千葉市村田町に建設を進めていた総合中間処理場「千葉中央リサイクルセンター」が無事故無災害で竣工。先月29日には現地において、関係者100人余を招いた「新工場竣工披露」が行われた。同センターは新築及び解体工事現場をはじめ、事業所などから発生する産業廃棄物を効率よく中間処理する施設で、再生砕石の販売や太陽光発電システムも導入。ごみを原料として再利用する「マテリアルリサイクル」に力を入れ、リサイクル率の向上を目指す。


□マテリアルリサイクルに力点

 この日の竣工披露宴では、徳山晃弘会長の式辞、同社の徳山東見社長のあいさつに続き、同じく川山正光副社長が経過報告と施設概要を説明。来賓を代表して宇留間又衛門・千葉市議会議長が祝辞を述べた。また、同センターの建設工事に携わった㈱潮建築設計事務所(設計監理)の星野治・代表取締役をはじめ、清水建設㈱千葉支店(建築工事)の福留信也・執行役員支店長、㈱御池鐵工所(産業廃棄物処理施設の設置)の小林由和・代表取締役社長、オフィス ウエイスト プランニング(コンサルタント業務及び処理施設設置)の石原政男代表に対し「卓越した技術と豊富な経験を駆使し、終始一貫、誠心誠意をもって新工場の完成に寄与した」として、それぞれに感謝状と記念品を贈呈。受賞者を代表して清水建設の福留・千葉支店長が謝辞を述べた。

□清水建設や潮建築/設計らに感謝状

 丸徳興業㈱は、2007年3月に産業廃棄物処理施設用地として同所(千葉市村田町893-419、敷地面積約1万1000㎡)を取得。千葉市及び関係諸官庁との協議をはじめ、環境アセスメントなどの調査をほぼ1年かけて進め、併せて土壌汚染及びそれに対する処理を行い、事前計画及び協議に入った。諸般の事情で一時中断したものの、再度、事前協議と開発行為のいわゆる51条申請を進め、12年12月に千葉市の都市計画審議会での建設計画の審議を経て、特定処理施設として千葉市長の認可を取得。昨年5月に建設工事に着手し、前述の通り、無事故無災害で竣工。千葉市担当課の完了検査を受けたことから、処理業許可申請を提出。同許可証の受理後に本格営業を開始するため同社では、運転の調整などを行い、万全な体制を整えたいとしている。

□処理能力2080t/日/再生砕石3160t/日

 同所は特別工業専用区域のため、24時間の操業が可能。千葉中央リサイクルセンターは工場棟(本館)、事務所棟、厚生棟、コンクリートの再生砕石を造る砕石工場棟(南側)で構成。産業廃棄物の処理品目としては、木くず、紙くず、廃プラスチック類、ガラス、陶磁器くず、コンクリートやアスファルトなどのがれき類、アスベスト含有物の積み替え保管施設など合わせて計9品目。

 一日24時間換算で4つに大別した施設の処理能力は、破砕選別設備が470t/日、圧縮梱包設備が930t/日、比重差選別設備が490t/日、煎断破砕設備が190t/日。それに加えてコンクリートの破砕施設(再生砕石工場)が3160t/日の規模を持つ。

□市原及び千葉北の/中間処理場を補完

 徳山会長は式辞の中で、当初は産業廃棄物の減量化を進めるため焼却場の建設を提案し様々な調査を行ったものの、近くに海や緑地、農村地帯があることや、医療廃棄物関係の焼却での行政手続きの問題などから焼却施設の建設を断念。それにより、同社の市原リサイクルセンター(総合中間処理場)と千葉北リサイクルセンター(木くず中間処理場)を補完するため、新リサイクルセンターの建設に方向転換したことを明かした。

 設計業務や建築及び設備工事等に関しては「いずれも快く引き受けて頂き、立派な施設が完成したことに感謝している」と述べたうえで、機械設備について「在来式の延長でありながら、最も効率の良い設備を選んで頂いたと自負している」と弁。さらに「皆さんが心して建設してくれた力添えに応えるべく、私ども社員が一丸となり一生懸命に働く所存でいる」と言明し、式辞を結んだ。

□徳山会長の「理想/と情熱」が結実

 また「この工場の完成にあたっては特別な思いがある」とした徳山社長は、「8年前に弊社は、苦渋の選択により事業規模を縮小し、徳山会長の英断で、今後は建設業界と産廃業界で頑張る方針を示した」と回顧。「そこから多少の時間はかかったが、千葉中央リサイクルセンター計画に対する周囲の理解が得られ、みなさんの励ましと協力により、会長の理想と情熱が見事に実を結んだと確信している」と述べたうえで「今後も平坦な道のりではないと覚悟しているが、丸徳興業をはじめグループ会社の丸徳環境、協和クリーンともに、変わらぬ支援と指導を賜りたい」と要望し、あいさつとした。

□最終処分までを/一貫して半世紀

 さらに、川山副社長は「弊社は1964年に建設業許可、72年に産業廃棄物の処理業許可を取得し、以来約半世紀にわたり総合解体工事と廃棄物の収集運搬、中間処理から最終処分まで一貫して行うことが出来るよう、安心・安全、そして社会に貢献することをモットーに歩み続けてきた」と報告。「今後とも関係各社の理解と協力に加え、何よりも本日列席のみなさんの支援を賜りたい」と述べた。

 一方、宇留間又衛門・千葉市議会議長は「現在千葉市では、環境施策に対する取り組みを重点的に行っている」と述べたうえで、「良好な循環型社会の実現に向けた総合中間処理である本センターの役割は、ますます重要度を増している」と指摘。「その重要な役割を担う本センターの完成までには、徳山会長をはじめ関係者のみなさんの大変なご労苦を推察する」と弁。「この素晴らしいセンターの竣工を機に、さらなるリサイクルの推進に向けた取り組みをお願いしたい」と要請し、祝辞に代えた。

□心を込めて施工/全社挙げて対応

 他方、清水建設㈱の福留・千葉支店長は今回のプロジェクトについて「徳山会長が長年にわたり描いていたビジョンである『多目的なリサイクルセンター』という重要な施設を建設するものだった」と披露したうえで、「潮建築設計の設計監理のもと弊社が施工を下命頂き、千葉支店一同、心を込めてこの工事を務め、無事に無事故無災害で竣工できた」と報告。「これからが弊社の力の見せどころ」と述べた氏は「日常的に施設を使用していくうえで指摘や要望があれば、何なりと申して頂きたい」と要望。さらに「このセンターは両社が力を合わせて運営していかねばと考え、私ども清水建設全社を挙げて精一杯対応していきたい」と言明し、受賞者代表の謝辞とした。


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