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ウィンド・パワーの鹿島港洋上風力発電はSB出資で15年度着工

2014/07/10 日本工業経済新聞(茨城版)

 SBエナジー㈱(東京都港区、孫正義社長)は、小松﨑グループの㈱ウィンド・パワー・エナジー(神栖市、小松﨑衞社長)が計画を進めている「茨城県鹿島港沖大規模洋上風力発電所」事業に対し出資を完了し、共同事業に参画すると発表した。この風力発電所は、特別目的会社(SPC:special purpose company)となるウィンド・パワー・エナジーが、EPC(工程一括請負)の契約方式で設計施工業者を決め、早ければ2015年度中に着工される予定だ。


 この計画は、県が「再生可能エネルギー源を利活用する区域」として設定した南海浜地区と南海浜沖地区の680haへ、5000kW(5MW)の大型風力発電機を約50基建設するもの。

 県による公募(2012年)の結果、全体面積の約半分となる北側の約340haをウィンド・パワー・エナジー、南側の約340haを丸紅に選定。

 当初は共同で事業を進めるべく協議を進めていたが、事業投資への判断基準や個別でも採算がとれる見込みが立ったことなどを理由に個々で実施することが示されていた。

 SBエナジーの発表によれば、ウィンド・パワー・エナジー側では第1期計画として1基当たり5MWの大型風力発電機を約20基設置する。鹿島港の沿岸から沖合600~1600mの海域へ、風力発電機を3列に並べる。発電設備を海底に固定する着床式を想定。海底の地盤調査を行った上で詳細な建設計画を策定する方針。早ければ2015年度中にも着工。17年ごろの発電を目指す。

 この施設が完成すれば、出力規模は約10万kW(約100MW)で、アジアでも最大規模となる。年間予想発電量は約2億1900万kWhを見込む。

 ウィンド・パワー・エナジーへの出資構成は、小松﨑グループが50・1%、SBエナジー㈱が49・9%。

 小松﨑グループは、鹿島港周辺で計15基の洋上風力発電を稼働させている実績を持つ。



EPC


 設計(engineering)、調達(procurement)、建設(construction)を含めた契約方式。発注者にとっては、施工ミスや資材高騰などのリスクを低減できるメリットがある。受注者は、発電システム全体の設計から手掛け、太陽光パネル、架台などの部材・資材などを選定して調達し、現場の土木・施工企業の手配や進捗の監理まで一貫して行う。


【写真=イメージ】


茨城県鹿島港沖大規模洋上風力発電所の完成イメージ017574.jpg

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