記事

事業者
国土交通省関東地方整備局(建設)

荒川浸水想定区域図を公表/最大想定被害額は約33兆円

2004/09/28 埼玉建設新聞

 国土交通省関東地方整備局は10日、水防法にもとづき、荒川が氾濫した場合に浸水が想定される区域とその水深を示した「荒川水系荒川浸水想定区域図」を公表するとともに、関係市区町に通知した。それによると、荒川(支川入間川を含む)が氾濫した場合に浸水が想定される区域は、東京都内の12区と埼玉県内の56市町の合計68市区町(約11万ha)に及び、この区域内には約540万人(約214万戸)が居住しているとのこと。

 また、被害額については、堤防が決壊する場所により異なるが、最大被害額が想定される破堤点(荒川右岸21km地点)での被害は、10区1市の7800haで、116万人(47万戸)が浸水被害を受け、被害額が約33兆円に達すると想定。

 以上の数値は、現在の荒川の河道整備状況、二瀬ダム・浦山ダム・荒川第一調節池等の洪水調節施設の状況等を勘案し、概ね200年に1回程度の大雨が降ったことにより、荒川が氾濫した場合に想定される浸水状況を、シュミレーションにより求めたものである。

 同局では、今後、浸水想定区域を含む各市区町において、それぞれの防災体制を踏まえて、荒川が氾濫した場合、実際に避難できる場所や必要となる予備知識を記載した洪水ハザードマップの策定を期待している。

 なお、同区域図は、同局河川部河川計画課はじめ、荒川上流河川事務所、荒川下流河川事務所、両事務所のホームページ、荒川知水資料館、浸水が想定される市区町で閲覧できる。関係市区町は次のとおり。

【東京都】千代田区、中央区、港区、台東区、墨田区、江東区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区

【埼玉県】さいたま市、川越市、熊谷市、川口市、行田市、加須市、東松山市、岩槻市、春日部市、羽生市、鴻巣市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市、鳩ケ谷市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、桶川市、久喜市、北本市、八潮市、富士見市、上福岡市、三郷市、蓮田市、幸手市、吉川市、伊奈町、吹上町、川島町、吉見町、大里町、騎西町、宮代町、白岡町、菖蒲町、栗橋町、鷲宮町、杉戸町、松伏町、庄和町、三芳町



紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら