県は、霞ケ浦町・千代田町の合併協議の動向をまとめた。合併方式は新設、新市名称は「かすみがうら市」で、事務所の位置は現在の千代田町役場とする。来月の合併協定調印式、来年3月28日の合併を予定している。新市建設計画では、計画期間(平成17~26年度)の普通建設事業費に総額173億円を見込み、そのうち合併特例債事業として124億円を予定。主な建設事業としては<1>合併後の新組織に対応するため千代田町役場の増改築<2>老朽化した霞ケ浦庁舎の移転整備<3>地域福祉の拠点とする福祉センターの整備<4>老朽化した志筑小学校の移転整備事業<5>市民交流機能を有する図書館・市民交流施設整備事業-などを提示。そのうち、図書館・市民交流施設以外の事業は、計画期間の前半に取り組む事業として盛り込んでいる。
霞ケ浦町・千代田町の合併協議の動向は次のとおり。
【現況】
◆霞ケ浦町=<1>人口1万8569人(12年度国勢調査)<2>面積70・27平方km<3>歳出決算60億5800万円(14年度)<4>一般行政職員数150人(15年度定員管理)。
◆千代田町=<1>人口2万6660人(同)<2>面積48・50平方km<3>歳出決算82億5200万円(同)<4>一般行政職員数205人(同)。
◆2町合計=<1>人口4万5229人(同)<2>面積118・77平方km<3>歳出決算143億1000万円(同)<4>一般行政職員数355人(同)。
【首長等の任期】
◆霞ケ浦町=首長任期満了は18年6月23日、議会議員任期満了は20年2月10日(条例定数18人)。
◆千代田町=首長任期満了は17年4月24日、議会議員任期満了は19年1月31日(条例定数30人)。
◆合併後議員合計は38人(法定上限は26人)。
【財政支援】
◆国
<1>合併特例債の起債可能額=133億4000万円(標準全体事業費の95%=119億円。標準基金規模の95%=14億4000万円)。
<2>合併市町村補助金=3億円。
◆県
<1>市町村合併特例交付金=5億円。
<2>新市町村づくり支援事業=10億円。
【合併協議の経過】
<1>15年8月25日=土浦市・千代田町・霞ケ浦町・新治村任意協議会が解散。
<2>15年12月11日=両町議会で法定協議会設置議会を可決。
<3>15年12月19日=法定協議会を設置。
<4>15年12月26日=第1回法定協議会。
<5>16年9月2日=第11回法定協議会。
【合併協議の概要】
◆合併の方式=新設
◆新市の名称=かすみがうら市
◆合併の期日=平成17年3月28日
◆事務所の位置=現在の千代田町役場
◆議会議員の定数及び任期=定数は26人(特例期間は38人)。任期は、在任特例1年10か月(平成19年1月31日まで)。
◆地域審議会設置の有無=なし。
【今後のスケジュール】
<1>合併協定調印式=16年10月<2>廃置分合市町議会議決=16年10月<3>県への廃置分合申請=16年10月<4>県議会上程(廃置分合議案)=16年第4回定例会<5>合併予定期日=17年3月28日。
市町村建設計画の概要
【新市の将来像】
『きらきら いきいき ふれあい育む 豊かなめぐみ野』
【基本方針】
◆自然と調和した快適なまちづくり
・先人から受け継いだ豊かな自然環境を「郷土の誇り」とし、自然環境に配慮した資源循環型の生活を推進する。
・新しい都市の一体性や都市としての魅力を一層高めるため、道路交通ネットワークの形成や交通安全施設の整備、情報通信基盤の整備など、社会基盤の充実に努め、人と自然が共生する快適で安全な生活空間の形成を図る。
◆健やか・安心・思いやりのまちづくり
・住民の自主的な健康づくりの推進や、高齢者・障害者への自立支援、子育て環境の整備を進めるなど、住民が生涯にわたって保健・医療・福祉サービスを一体的に受けることができる体制づくりに努める。
◆豊かな学びと創造のまちづくり
・一人ひとりの個性を尊重し、生きる力を育む教育の環境づくりに努めるとともに、ライフサイクルにあった学習機会を提供し、新たな文化を育む豊かな学びを実現する。
◆活力ある産業を育てるまちづくり
・全国ブランドを有する農業、観光及び水産業と、商業、工業などのネットワーク化により、地域産業の可能性を高め、新たな需要の喚起を促し、みんなが元気に働く、活気に満ちたまちづくりを進める。
◆みんなでつくる連携と協働のまちづくり
・住民と行政が連携を深め、住民の行政参画によるまちづくりを進めることにより、地域コミュニティの自立ある発展を目指す。
・男女が平等な立場で共にいきいきと生活できる男女共同参画社会の実現を目指す。
【総人口の推計】
<1>12年=4万5229人<2>22年=4万6400人<3>27年=4万6100人。
【主要事業の概要】
〔●は主に建設計画期間の前半に取り組む事業〕
※建設計画期間中の普通建設事業費の総額173億円(うち合併特例事業124億円)。
●幹線市道整備事業=霞ケ浦町と千代田町を結ぶ路線などを、新市のネットワーク道路として整備する。
●市民ガイドブック・ホームページ整備事業=住民生活に関する情報や制度、市の特産品などを紹介し、合併による混乱を避けるとともに、新市の住民としての一体感の醸成を図る。
●庁舎等増改築事業=合併後の新たな組織に対応し、行政拠点としての強化を図るため、現在の千代田町役場庁舎の増改築を行う。
●合併市町村振興基金の造成=新市の一体感の醸成、地域振興などを目的としたソフト事業に充当するため、基金を造成する。
●福祉センター整備事業=子供から高齢者まで、あらゆる人々がふれあう地域福祉の拠点として、福祉センターの整備を行う。
●医療費扶助制度の充実=霞ケ浦町が5歳児まで、千代田町が4歳児までを対象として実施してきた医療費扶助制度について、霞ケ浦町の制度を新市全体を対象として実施する。ただし、所得制限は千代田町の例により撤廃(霞ケ浦町では所得制限あり)する。
●人間ドッグ補助制度の充実=国民健康保険被保険者を対象に、霞ケ浦町が30歳以上、千代田町が40歳以上を対象に実施している人間ドッグ補助制度について、霞ケ浦町の制度に統一し、対象者を拡大する。
●子育て奨励金の拡大=3歳に満たない児童を含む3人以上の児童を養育している保護者に対して奨励金を支給する事業(霞ケ浦町のみで実施)を、新市全体で実施する。
●志筑小学校移転整備事業=老朽化により施設の維持管理に限界が生じている現校舎は、学校施設を移転整備し、良好な教育環境を確保する。
●福祉タクシー利用助成の拡大)=千代田町で実施している、高齢者及び障害者が医療機関等へ通院通所する際にタクシー料金の一部を助成する制度を、新市全体を対象として実施する。
○図書館・市民交流施設整備事業=新市住民の学習活動や交流空間の創出を図るため、市民交流機能を有する図書館・市民交流施設を整備する。
●小中学校環境整備事業=新市における良好かつ均衡のとれた教育環境を確保するため、現在霞ケ浦町立小中学校のみにある空調施設を、千代田町立小中学校にも整備する。
●霞ケ浦庁舎建設事業=霞ケ浦地区の行政拠点としての強化を図るため、老朽化した霞ケ浦庁舎の移転整備を行う。
【県事業の概要】
◆道路
<1>一般県道石岡田伏土浦線バイパス整備事業。
<2>一般県道石岡つくば線バイパス整備事業。
<3>一般県道潮来土浦自転車道線整備事業。
◆河川=一級河川恋瀬川改修事業。
◆農業=田園空間整備事業(東筑波地区)。