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飛島・鉄建・日本鋳造 エネルギー法による構造性能評価を取得

2014/08/11 本社配信

飛島建設㈱(社長・伊藤寛治氏)と鉄建建設㈱(社長・林康雄氏)と日本鋳造㈱(社長・岩波秀樹氏)の3社は、このほど建築確認検査機関・日本ERI㈱より制震部材を用いた建物のエネルギー法による構造性能評価を取得したことを明らかにした。

 3社はレンズ型せん断パネルダンパー(LSPD)を有する建物(新築の鉄骨造)で試設計を行った結果、エネルギー法による設計法を構築した。今年3月31日には日本ERI㈱の構造性能評価委員会で、その設計内容が適正と評価され、エネルギー法による構造性能評価を取得した。

 履歴型ダンパーを有する建物の設計にエネルギー法を採用した場合、比較的簡便な計算で設計ができ、断面算定や増分解析を行うための一貫構造プログラムと表計算ソフトで対応が可能だ。履歴型ダンパーを構造部材として扱うには、大臣認定を取得する必要があるが、エネルギー法で設計を行った場合、大臣認定は必要がなく、設計工期を短縮でき、コストも削減できる大きなメリットがある。 

LSPD(写真下)は建物の耐震性の向上を目的として開発された履歴型ダンパーで、レンズ型せん断パネルおよび高力ボルト、パネル取付けプレートから構成されている。低降伏点鋼を用いた平板で、中央部の両面を凹レンズ状に削りとっているのが特徴だ。中央部の板厚を薄くすることで、応力、ひずみが分散し、地震エネルギーの吸収能力を向上させた。

 LSPDを有する建物をエネルギー法で設計する場合、建物の構造種別は、鉄骨造、RC造、SRC造およびこれらの併用構造。建物の高さは60㍍以下と適用範囲が決まっている。

現在、飛島建設・鉄建建設・日本鋳造の3社は、商社や設計コンサルティング機能を持つ関連会社3社の計6社と大学の有識者による「レンズダンパー推進協議会」を設立し、制震構法の研究、勉強会などを行っている。

今後3社は「協議会に多くの有識者、設計事務所、コンサルティング会社、ゼネコン、メーカーの参加を募り、エネルギー法の浸透とLSPDの普及を共に推し進めていきたい」と抱負を語った。

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