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山梨県武川村

温泉掘削事業で温泉の湧出に成功、デイサービス等の施設建設を11年7月にも発注

1999/06/30 山梨建設新聞

 武川村は、デイサービス等の施設建設に先立ち同村牧の原地内で進めていた温泉掘削事業で、利用可能な温泉の湧出に成功したことを、三日までに明らかにした。足かけ三年、二度の掘削チャレンジによる念願の温泉湧出となる。これを受け村では、温泉の湧出を見込み同地内で整備計画を進めていた、二大福祉施設のデイサービスセンターと健康増進施設の設計作業を実施段階に移行させ、いよいよ来月にも総事業費八億円を投じる同建設工事を発注する方針だ。発注形態は今のところ未定となっているが、両施設の建設については分離となる模様。

 これら施設の建設が予定されるのは、同村牧の原地内にある県営牧の原団地北側の約九、〇〇〇㎡の村有地。現時点の計画によると、デイサービスセンターはRC平家建て、延べ床約七〇〇㎡、一般向けの健康増進施設は同平家建て、延べ床約一、二〇〇平方程度の規模で、敷地内にそれぞれ隣接して配置される。同建設費には、今年度当初予算で三億五、〇〇〇万円(デイサービスセンター)、五億二、〇〇〇万円(健康増進施設)をそれぞれ計上している。

 村は福祉サービスの拠点となる両施設の整備にあたり、かねてから村民の要望が強かった温泉の利用を検討。九年度温泉掘削の失敗を教訓に、昨年の十二月から、同地内で温泉掘削工事(萩原ボーリング・甲府市が担当)に再挑戦していた。今年四月には、目標深度の地下一、五〇〇mの掘削を完了。揚湯試験の結果、湧出した温泉が汲み上げて利用可能であるとの最終的な結果が、このほど確認されたもの。温泉の温度、成分等については現在、分析中だが、汲み上げ時点の湯温は四五度程だという。

 温泉の湧出が成功したのを受けて、馬場設計(甲府市)の担当で昨年度までにアウトラインを仕上げている建築設計の最終的な詰めの作業を、今後一~二か月ほどですすめ、遅くとも八月頃までには本体工事に取り掛かる。

 施設の供用開始は、介護保険の導入が開始される来春を予定している。



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