岡谷市は、地盤軟弱や建物亀裂などが確認されている岡谷小学校について、2015年度末に同小を閉校、16年度4月に田中小学校および神明小学校と統合することとした。生徒が移行する2校および関係する中学校では教室などの施設整備を進める。新たな通学区域は決定していないが、田中小には180人前後が、神明小には70人前後が移る見通し。設計は本年度内に行い、15年度に工事を予定している。
岡谷小は、2003年の耐震診断で一部校舎について全面改築が必要との結果から、実施設計を行った。しかし周辺が土砂災害急傾斜地特別警戒区域に指定されるなどにより計画見直しとなり、11~12年度に地質調査・測量を実施。この結果、地表面沈下や建物亀裂、コンクリート剥離などが確認された。地表面沈下原因は、敷地造成の盛土地盤が軟弱であることも判明した。
市は結果を踏まえ、安全性を考慮して「将来にわたって現在の敷地を学校敷地とすることは適さない」と判断。2013年5月に検討委員会(PTA役員や保育園保護者、大学教授、市教育長などで構成)を設置し、現地建替や移転、統合分散を議論。結論として統合分散に至っている。