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茨城県企業局

県企業局が県南水道事務所を改築/来年度からの着工へ/19日に実施設計者を選定

2004/10/09 日本工業経済新聞(茨城版)

 茨城県企業局は、県南水道事務所改築(土浦市大岩田)に伴う実施設計業務の指名競争入札を今月19日(火)に執行する。昨年度に策定した基本計画による改築箇所は管理本館や特高変電所で、そのほかに浄水池や沈殿池、急速ろ過池などの新設を予定。また、関連して道路の付替えも行う。県では、拡張する用地の買収に来年度から着手し、進ちょくによっては来年度から工事に入る方針で、浄水場を稼動させながら段階的に工程を進めていく。総事業費には約200億円を試算。平成22年度の供用開始を目指している。

 県南水道事務所における一日の計画給水能力は15万5675立方m(生物+急速ろ過+粒活方式)。昭和42年に1次拡張施設として5万5675立方m/日の給水を開始し、昭和48年には10万立方m/日(2次拡張施設)を増量。昭和60年には生物処理施設を追加導入した。

 しかし、水処理施設は30年以上が経過し、改築が必要と判断されたことから、昨年度に基本計画を(株)日水コンで策定。この成果に続き、最適な基本設計および実施設計を進めていくもの。

 基本計画によると、計画給水量は現在の給水能力と同様で、改築施設は<1>管理本館(耐震補強、中央監視操作施設更新)<2>特高変電所-の2か所。

 このほかに、既存浄水場の西側(農用地)に用地を拡張して新施設を建設する。新設を計画する施設は<1>傾斜板沈殿池<2>急速ろ過池<3>浄水池(送水ポンプ含む)<4>排水池<5>薬品注入施設<6>共同溝、場内配管、場内整備(造成含む)。これに伴い、既存敷地内の沈殿池、急速ろ過池、浄水池などを撤去する。

 また、改築事業に関連して、事務所の南側にある土浦市道(一部、阿見町道)について、付替えが必要となるため、今回の設計では新たな道路設計(延長約350m)を含む。

 今後の大まかなスケジュールとしては、今年度に基本・実施設計を策定した後、来年度から用地取得作業を進める。この進ちょくによっては来年度から着工する方針。浄水場を稼動させながら、1池ずつ工事するなどして、工程を段階的に進めていく。

 施設は平成22年度の供用開始を想定。総事業費として、管理本館の耐震構造化や処理施設などを含めて5か年で約200億円を試算している。

 なお、基本設計の概要は次のとおり。

【浄水場基本設計】

 <1>基本条件の確認=各業務内容を確認して業務計画書に反映。適用することが可能な技術、ノウハウをまとめる。

 <2>処理フローの検討=基本計画の成果を前提に処理フローを整理。

 <3>維持管理方法の検討=耐用年数が短い機械設備等を対象に、最適な維持管理手法を比較検討。特に場内配管の延命化、平易な更新工法の採用等が可能となるよう検討。

 <4>配置計画検討=コスト縮減など最適な水処理フローに配慮した施設配置計画を、複数案の比較により検討。

 <5>施設計画=基本計画の成果を前提に、施設の諸元を再検証。特にコスト縮減などの確実性安全性および水処理の操作性から最適な施設計画であるかを確認。

 <6>水理検討=<4><5>の成果で水理計算し、計画の的確性を確認。

 <7>施工方法の検討=既存施設が安定的に送水できる環境確保を第一とする。各施設(工種)の工程を、コスト縮減、改築工事の確実性安全性および環境保全等の観点から立案する。

 <8>基本設計図書の作成=<1>~<7><9>の成果を、設計検討書、設計計算書、設計図面、概算工事費、施工設計書および維持管理計画書等で作成。今後の詳細設計に向け、注意検討事項の有無を調査し、解説を設計検討書に記載。

 <9>審査=照査技術者を定めて審査する。

【道路設計】

 <1>設計対象となる工程=水道事務所の南側にある土浦市道(一部、阿見町道)について、改築事業により道路の付替が必要となることから、新たな道路設計を行う。また、当該道路や水道事務所拡張用地が農用地内に建設することから、用排水路の付替工事の設計も行う。

 <2>作業内容=現況と同様な1車線として計画するが、道路位置・構造は道路管理者と協議のうえ決定して設計。また、用排水路は土地改良区と協議し決定した条件を基に設計する(路線選定、協議資料作成、平面縦横断等設計、用排水路設計、設計図作成、数量計算)。



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