香取市東庄町病院組合(管理者・宇井成一香取市長)の「第3回国保小見川総合病院建て替え整備検討委員会」(委員長・中山茂樹千葉大学大学院工学研究科教授)が22日、小見川市民センター「いぶき館」で開催され、新病院の医療機能・規模についての審議が行われた。事務局が院内検討委員会での検討結果をもとに80床と100床の2案を提示。病床数を決定するまでには至らず継続審議となったものの、最大100床とすることで合意した。このほか、基本構想のたたき台となる基本構想の概要版が示された。
病床規模については、内科医師2人、外科医師2人、整形外科医師4人、歯科医師1人の9人体制を前提に80床と、医師の確保(増)ができた場合の100床という2つのパターンが提示された。80床の場合は一般病床60床程度と地域包括ケア病床20床程度、100床の場合は一般病床70床程度と地域包括ケア病床30床程度を想定。必要な延べ床面積と初期投資費用は、80床の場合が延べ8570㎡、概算事業費48億7700万円、100床の場合は延べ9110㎡、概算事業費52億6700万円とした。
80床の場合の概算事業費の内訳は、設計監理費1億7100万円、建設工事費34億2800万円、外構工事費2億8200万円、解体工事費2億4400万円で、ほかに医療機器・什器・システム整備費6億5200万円、開院準備費(移転費等)1億円と試算。
一方、最大100床となった場合の事業費の内訳は、設計監理費1億8200万円、建設工事費36億4400万円、医療機器・什器・システム整備費8億1500万円で、外構工事費と解体工事費、開院準備費(移転費用等)は80床の場合と同じ。
委員会では、住民の代表から将来的に展望の持てる150床程度は必要など――の意見も出されたが、医師の確保が難しい状況や、病院の入院患者数、運営状況から最大で100床とすることで合意した。また、委員からは規模より内容が大切、特徴を持たせることが必要などの意見もあり、今後、診療科の構成等を審議する中で検討を進める見通し。診療科については現在の14科を示すにとどめた。
一方、新病院の基本構想については、中間案として概要版が提示された。概要版は、①病院の建て替えに至った経緯②新病院の整備理念・基本方針③新病院の概要④新病院の診療機能⑤新病院の建設地⑥整備手法⑦スケジュール⑧概算事業費⑨運営形態――の9つを柱に構成する。
新病院の建設地については、前回の委員会で現病院に隣接した駐車場及び官舎とすることで決定している。敷地面積は約7985㎡で、これをもとに建築面積は約3070㎡とした。スケジュールについては、来年度で基本・実施設計に着手し、17年度に着工。2か年で建設し、19年度の開院を目指す。工期は設計17か月、施工20か月を見込む。
診療機能については、急性期医療、かかりつけ医機能、在宅医療の3つの機能を柱に一般病床と地域包括ケア病棟を整備することで、香取海匝保健医療圏での地域包括ケアシステムの構築に貢献する考えが盛り込まれた。
基本構想は、事務局が概要を説明するにとどまり、審議は次回以降に持ち越された。次回の委員会は12月2日の開催が予定されている。なお、基本構想は基本計画とともに策定支援業務を麻生(福岡県飯塚市芳雄町7―18)が担当している。