県商工労働部は、本年度で幕張メッセ駐車場の再整備構想を策定する。駐車場周辺の状況が変化していることから、既存駐車場の有効利用を図るため、立体駐車場を含めた検討を行う。基本構想の策定業務は今月5日に幕張メッセ駐車場基本構想策定業務委託の指名競争入札を開札し、一般社団法人日本駐車場工学研究会(東京都港区西新橋2―8―1)が予定価格490万円に対し198万円(いずれも消費税抜き)で落札した。委託工期は2015年3月25日。
幕張メッセの駐車場は、千葉市美浜区豊砂地先の約16・8haと国際展示場北ホールに隣接する千葉市美浜区中瀬地先の約1・1haがある。豊砂地先の駐車場は約5500台収容可能で、中瀬地先の駐車場はイベントの際の臨時駐車場などとして使用している。
幕張メッセ駐車場の周辺では、イオンモール幕張新都心が約7300台の駐車場を整備しているほか、駐車場の整備が進み、状況が大きく変化している。また、既存の駐車場は20年以上前に整備したもので、区画割りが小さく、近年の自動車事情に合わないなどの課題も出ている。
このため、基本構想の策定では、幕張メッセ周辺の土地利用の状況や駐車場の整備状況の変化を踏まえ、必要とされる新たな駐車台数を算出。それに応じた駐車場の効率的な配置に加え、入口の位置や動線の見直しを行うとともに、新たな区画割りを検討する。
具体的には、豊砂地先の約16・8haについては、概略図案の素案を作成。平面駐車場1案と一部立体駐車場を建設する2案の合計3案とし、概算事業費を算出する。概略図の作成では、集中して入出庫する時間や搬入・搬出車両用駐車スペースの確保、搬入・搬出車両が使用していない場合の一般来場者の駐車スペースとしての利用などを考慮し、機械式料金徴収システムの導入、出入口、車両・歩行者動線、料金所、満空表示の方法も検討する。美浜区中瀬の約1・1haについては、平面駐車場の概略図1案を作成する。
本年度の基本構想で整備案を絞り、来年度でこの案をもとに基本・実施設計を行い、16年度の着工を目指す。
なお、入札には日本駐車場工学研究会のほか、玉野総合コンサルタント、建設技術研究所、セントラルコンサルタント、大日本コンサルタント、東京建設コンサルタント、オリエンタルコンサルタンツ、トーニチコンサルタント、日本工営、八千代エンジニヤリングの9者が参加した。
落札した日本駐車場工学研究会は、県の立体駐車場の設計を手掛けるとともに、幕張新都心地下駐車場の指定管理も行っている。