国土技術政策総合研究所(国総研)は28日、公共事業の品質向上とコスト縮減の両立を目的に、設計段階のVE(バリュー・エンジニアリング)検討を積極活用するための「設計VEガイドライン(案)」を作成した。VEの本質や活用方法など、安くて良質な調達を図る上で、見直し自由度の高い設計段階で活用する意義を示した。詳細は、国総研ホームページに掲載。
ガイドラインには、VEのねらい、効果、目的から具体的な対象業務、実施時期、手順、必要な人材・体制など、実際に活用する際のマニュアルを定めている。また、ガイドライン作成に先駆けて国交省の各地方整備局からアンケートやヒアリングを実施。現場担当官から、具体的課題や改善点などを聞くことで、より活用性の高いものにした。
今後は、ガイドラインの運用事例を踏まえ改善点などを把握。より使いやすいガイドラインへ改訂していく。
従来から、国民の税金を使う公共事業において、コスト縮減と同時に品質確保は当然。そのため、施工段階以前の設計段階であらゆる可能性を検討することが有効だと考えられてきた。
国交省においても、平成9年度から設計段階でのVE検討を試行してきた。ただ、これまで年間40件程度と活用事例そのものも少なくなかなか普及されていなかった。
今回のガイドラインを作成することで、設計段階でのVE提案の積極活用を図るとともに、公共事業におけるコスト縮減と品質確保の両立を図りたい考えだ。