千葉市は5日、同市総合交通政策の第2次施策推進計画案を公表した。2015年度から17年度までの3か年を計画期間とするもので、総合交通政策で掲げた37の施策のうち34の施策を実施する。事業数は71事業で、モノレール車両基地の耐震補強や花見川区北部でのパーク&ライド社会実験、JR蘇我駅東口駅前広場整備、京葉線・りんかい線の相互直通運転の促進に関する取り組みなど26事業を新たな事業として位置づけた。都市部交通政策課で、来月4日まで同案に対する意見を受け付ける。
千葉市総合交通政策は12年5月に策定したもので、21年度までを計画期間とする。施策を着実に推進するため、短期の推進計画を策定して進行管理を行っており、第1次施策推進計画(計画期間12~14年度)では、総合政策に掲げた37の施策のうち28の施策(60事業)に取り組んだ。
この第1次施策推進計画の課題(バリアフリーへの対応、災害への対応、乗継拠点の整備・乗継ぎの円滑化、鉄道の利便性向上、事業管理のための明確な目標の設定)等を踏まえ、第2次施策推進計画(案)では新たな事業も加え、34の施策、71事業に取り組む。
主な施策ごとに第2次での取り組み内容を見ると、「区画整理事業及び都市再開発事業の推進」では検見川・稲毛地区土地区画整理事業(67・95ha)、寒川第一土地区画整理事業(17・73ha)、東幕張土地区画整理事業(26・05ha)、千葉駅西口地区第二種市街地再開発事業(約1・9ha)、千葉駅東口地区第一種市街地再開発事業(約1・0ha)を推進する。
計画期間の事業内容は、検見川・稲毛地区土地区画整理事業が建物移転10戸、道路築造320m、寒川第一土地区画整理事業が建物移転12戸、道路築造350m、東幕張土地区画整理事業が建物移転74戸、道路築造870m、千葉駅西口地区第二種市街地再開発事業が15年度に事業計画・管理処分計画変更の手続き及びEデッキの設計他、16年度にEデッキ桁製作他、17年度にEデッキ架設他、千葉駅東口地区第一種市街地再開発事業が事業計画及び管理処分計画の認可(予定)。
「地区計画や条例に基づく鉄軌道駅周辺の開発の促進」では、条例に基づき指定する駅の1km範囲内にあること等の条件を満たす市街化調整区域において、住宅、兼用住宅、共同住宅の建築を目的とした開発を誘導するほか、駅周辺の土地利用転換として、JR稲毛駅東口に隣接する大規模遊休地を駅周辺にふさわしい土地利用に転換するため、地区計画を活用した検討を地権者とともに進める。
「橋梁などの長寿命化の推進」では、対象橋梁446橋のうち14年度末までに101橋(約23%)の対策を講じるが、さらに計画期間において78橋の補修を予定。また、「鉄軌道駅におけるエレベーターなどの整備」では、スロープの設置2か所(京成千葉線検見川駅)、エレベーターの設置1基(京成千原線おゆみの駅)に対して補助する。
「歩道の段差解消及び無電柱化の推進」では、歩道の段差解消305か所、電線共同溝整備1・4kmを予定しているほか、「緊急輸送道路などにおける耐震化の推進」では、対象橋梁139橋のうち14年度末までに110橋(約79%)の耐震化を行うが、さらに計画期間において21橋の耐震化を実施。併せて緊急輸送道路沿道建物の耐震診断等に対して補助する。
「鉄道駅における耐震化の推進」では、京成千葉駅場内~千葉中央駅場内(延長1158・5mのうち690m)について耐震補強費用を補助し、14年度末で橋脚247本中242本(約98%)の対策が講じられるが、計画期間において残り5本の橋脚補強補助を行う。また、新たにモノレール車両基地の耐震補強を促進する。
「駅前広場の整備推進」では、蘇我副都心の玄関口としてJR蘇我駅東口駅前広場の整備を進める。本年度の基本設計に続き、計画期間において都市計画決定、事業認可、道路・交差点予備設計他を進める。
「パーク&ライドなどの整備推進」では、花見川区北部において、高速バスによるパーク&ライドの社会実験を実施し、需要の有無及び利用者特性を調査する。
「放置自転車対策の推進」では、自転車駐車場の整備として監視カメラ設置91基、電磁ロック式自転車ラックの導入724台、LED照明設置45本、管理人用トイレ設置9か所を予定しているほか、「自転車走行空間の確保の推進」では自転車レーン等の整備23・8kmとともに、幕張新都心コミュニティサイクル社会実験を引き続き行う。
「鉄道新駅の整備促進」では、幕張新都心開発当時から計画されていた新駅の設置に向けた取り組みを進める。計画期間においては、県企業庁の会議に参加するとともに、県企業庁が中心となり新駅設置の調整を行うよう要望する。
「広域道路ネットワークの整備推進」では、国道357号湾岸千葉地区改良(地下立体L約1km、交差点改良等)、国道51号北千葉拡幅(L約0・7km)、塩田町誉田町線塩田町区間の用地買収・補償、磯辺茂呂町線園生町区間の用地買収・補償及び橋梁整備、千葉鎌ケ谷松戸線の用地買収・補償及び道路整備(L390m)、浜野四街道長沼線大井戸工区の道路整備(L530m)、幕張町弁天町線弥生町区間の実施設計、道路整備(L220m)及び電線共同溝、塩田町誉田町線誉田町区間の用地買収・補償、村田町線の用地買収・補償、中央赤井町線鵜の森区間の予備設計、若松町金親町線千城台東工区の用地買収・補償、美浜長作町線県管理区間の用地買収・補償及び道路整備を進める。
「都市内幹線道路ネットワークの整備推進」では、大膳野町誉田町線の道路整備(L195m)、中央星久喜町線の用地買収・補償、南町宮崎町線他2路線の用地買収・補償及び道路整備(L220m)、主要地方道千葉大網線土気駅北口の用地買収・補償、誉田駅前線の用地買収・補償などを進める。
「道路渋滞・混雑の要因となっているボトルネックの改善」では、交差点改良として調査7か所、工事7か所を予定しているほか、県道幕張八千代線の踏切除却(京成成田線実籾第4号踏切)を予定。
このほか、千葉都市モノレール関係では、「駅舎への多機能トイレの導入」として千城台駅、作草部駅、天台駅への多機能トイレの導入のほか、「施設の維持更新」として分岐設備の更新10基、転落防止床の更新7駅、変電所機器等の更新などを予定している。