佐野市は今年度、中心市街地活性化基本計画の策定に着手する。JR佐野駅を中心としたエリアを対象に、活気に満ちた町並みの再生を目指す。九月までには、素案を作成するワーキンググループや、各界の代表などで構成する計画策定委員会を立ち上げ、活性化の方策を協議。来年度早期には、国に基本計画書を提出したい考え。当初予算には、基本計画策定事業費に五百二十万円を計上した。
庁内では、佐野駅南側の駅南土地区画整理事業完了区域(約一〇・一ha)を中心とした若松町や高砂町などをはじめ、北は城山公園、南は佐野厄よけ大師(金井上町)なども取り込んだ、一〇〇ha以上を中心市街地のエリアに想定。
これらのエリア内には、主要地方道桐生岩舟線(旧国道五〇号)沿いを中心に昔ながらの小売店舗が多数存在。しかし、近年は主要地方道佐野古河線や一般県道佐野環状線沿線など、郊外部に大規模小売店舗が進出し、活気が失われている状態。また、高砂町地内のしにせ大型店舗も撤退し、中心部の空洞化に拍車をかけている。
そのため市では、これら中心市街地を再生に向け、今年四~六月に県内他市町の取り組みを調査・研究。その結果、策定委の下部組織にワーキンググループを設け、たたき台となる素案を作成。それを基に、委員会で協議するのが最良との結論を導き出した。
ワーキンググループや策定委の人選は未定としながら、各界の代表に加えて若者や女性を積極的に登用。幅広い年齢層から意見を吸い上げ、十年・二十年先を見据えた計画を練り上げたいとしている。
具体的な整備エリアや活性化方策は、委員会の中で詰めることになるが、佐野駅の橋上化や名物であるラーメン、年間を通じて観光客が多数訪れる、厄よけ大師とリンクさせたまちづくりなどが想定される。