㈱プロテックエンジニアリング(聖籠町)は、独立行政法人国際協力機構(JICA)の委託を受けて、トルコ共和国の森林・水省総局はじめ大学関係者らを新潟に招き、同社の雪崩技術に関する研修会を行った。
先月27~31日の日程で、聖籠町の同社や阿賀町、十日町市の雪崩予防柵設置現場など県内を訪れ、日本最先端の雪崩対策技術を見学。トルコでの雪崩対策技術の支援に向けた課題の共有を図った。
研修最終日に行われた意見交換では、トルコ側より「トルコに欠けているものがわかった」や「細かいところまで教えてほしい」など雪崩の観測技術、設計基準の策定や人材育成に対しても協力が求められた。
同社アンカラ営業所の相澤純一郎所長は、「今後、一緒に考えていければ」とし、JICAを通じてトルコ用の設計基準を策定するほか、人材育成にも取り組む方針だ。また、トルコでは防災や道路、森林など雪崩対策の実施機関が異なることから、すべての関係機関によるシンポジウムを開催し、プロテックエンジニアリングの技術を紹介することも提案された。
トルコでの雪崩は、5年前ほどから問題視され対策に取り組んでいる。同社では2013年度より、首都アンカラ近郊の雪崩危険箇所で雪崩予防柵(ARCフェンススノータイプ)と、インターネット上でリアルタイムに状況を確認・観察できる雪崩モニタリングシステムの実証活動を行っている。15年4~5月ごろには、トルコのボル県で雪崩防止柵の試験施工を行い、雪崩予防対策に関する人材育成を通じて雪崩予防・管理体制の構築を目指している。
【写真=トルコと日本の雪崩対策で意見交換】