前橋市内の新たな文教地区である同市石関町へ全面移転した県立前橋工業高等学校の新築移転記念式典が10月24日、同校体育館で開催された。
主催は、新築移転記念式典実行委員会(佐田武夫委員長)及び同校(村田敬一校長)。
式典には、全校生徒が出席したほか、佐田委員長、村田校長をはじめ、小寺弘之知事、内山征洋県教育長、原富夫県議会副議長、高木政夫前橋市長、地元県議会・市議会議員、工事関係者、地元関係者、同窓会関係者ら多数が参席した。
式典は、午後1時30分に幕を上げ、まず全員で国歌を斉唱した後、村田校長が式辞を述べた。
多数の来賓及び関係者らの出席に謝意を表し、「今回の岩神町から石関町への校舎新築移転は、本校81年の歴史において誠に記念すべきことであります」と慶びの気持ちを示した。
続けて、「本校はものづくりを通して、豊かな人間性の育成を図り、スペシャリストとして活躍できる創造的能力と実践力ある人材の育成を目指しています。全日制では本年4月に、新たな学科として電子機械科を設けるとともに、2年次からは科目選択によるコース選択制を取り入れました。この移転を機に、就職も進学もできる学校として生まれ変わり、更なる発展と飛躍を図りたいと考えています。また、積極的に地域社会に開かれた活動をしたいと思っています。この素晴らしい教育環境を活かして、校訓『高きを仰ぎ最善を尽くす』を信条とし、名実ともに日本一の工業高校を目指して頑張る所存であります」との決意を新たにした。
次に、小寺知事があいさつに立ち「前橋工業高校が、ここに新しい近代的な校舎が完成し、式典をあげることができ誠におめでとうございます。日本は資源が少ないのに世界第2位の経済大国になったことは、日本人のものづくりにかける勤勉さと優秀さによるものだと思います。前工で学び、巣立った人達は、2万5000人以上におよび、各分野で活躍いただいております。これを機に、文武両道において更なる発展を願うものであります」と述べた。
佐田実行委員長は、「記念式典がかくも盛大に開催できましたことを、実行委員として感謝に堪えません。今回の移転は、50年以上の長きに渡ってお世話になった岩神の地を離れ、新天地石関町に移転しました。素晴らしい校舎やグランドに恵まれ、生徒諸君には開校以来綿々と継承されてきた母校の校風と伝統を持ち続け、更なる飛躍を遂げてくれるものと期待しております」と、新たな学舎で母校が益々発展することを祈念した。
また、原副議長は、「貴校は、開校以来80年を超える歴史の中で、群馬県の工業教育の拠点として、優れた人材を輩出しております。移転を機に、生徒達が高度な専門技術を身につけ、芸術や文学と触れ、さまざまな意見を持つ人と出会い、いろいろな体験を重ね、人間性豊かな若者へと成長していくことを念願しております」と語った。
さらに、高木市長は、「今回の移転問題には、自分も県議会議員の時に懸命に取り組みました。同窓生の一人としても、この式典は感慨深い思いです。生徒の皆さんは、これまでの伝統に磨きをかけ、益々の発展に努力していただきたい。どうか、学業に、スポーツに、懸命に努力していただきたいと思います」と、後輩達を激励した。
このあと、来賓が紹介され、引き続いて移転整備に携わった関係者への感謝状贈呈に移った。
工事関係では、施工者各社を代表して、立見建設の立見丈夫代表取締役社長へ村田校長から感謝状が授与された。
来賓者の祝辞に対して、生徒一同を代表して山田翔一朗生徒会長が、「2学期からこの校舎での生活が始まりましたが、新生活にもすっかり慣れました。この新校舎には、ありとあらゆる設備が揃っており、これからが新しく生まれ変わった私達前工生の本領発揮だと思っています。皆様方の期待に応えられるよう一生懸命努力していきたいと思っています。最後に、この前工の歴史的瞬間に立ち会えたことに感謝し、御礼の言葉とさせていただきます」と、力強く感謝の言葉を述べた。
記念式典は、いよいよフィナーレを迎え最後に同校の輝く未来を信じて全員で校歌を斉唱し、閉式となった。
式典終了後、班別にわかれ校内の見学会が行われた。