川越市は、鏡山酒造跡地活用について、公設民営による整備を実施する方針を固めた。現在は基本計画をまとめている段階で、17年度当初予算編成会議には、設計費を要望している。事業費などの問題から、工事は段階的に実施していく考えで、2か年もしくは3か年程度になりそう。
基本計画策定業務は、計画技術研究所(品川区、電話03-3779-8960)が担当。並行して庁内の検討委員会と自治会代表らで構成する活用委員会の2面性で改修プランを協議しており、計画に反映させる。
自治会代表、学識経験者ら約20人で構成する活用委員会は6月30日に第1回会議を開催。9日には3回目となる会議を開く。市に対しては、事務所棟および塀の撤去を要望している。
旧鏡山酒造跡地は、川越市新富町1丁目地内に位置する。敷地面積は3064㎡。明治・大正・昭和の各時代に作られた蔵、ビン詰め工場、倉庫、検査室、事務所・宿舎・精米工場などが当時のまま、残されている。酒造が平成12年に廃業した後、市が建物の寄贈を受け、市土地開発公社が約10億円で土地を購入した。
工事は3つの蔵の改修をメーンに実施。年代順に手掛ける。
活用法については、財団法人・都市みらい推進機構主催による「土地有効活用提案競技」が行われ、特選に都市再生(代表者・滝川勝弘、(株)アーバン開発研究所)の『小江戸川越「食楽市&創作市場」』をテーマに、蔵と外部空間をいかした地場の農産品を中心とするファーマーズマーケット等による商業・交流施設の提案が選出された。
この結果に関して、担当所管の中心市街地活性化推進室では、「あくまでも参考程度にとどめる」としており、計画に盛り込む姿勢は見せていない。