経済産業省関東経済産業局は11月16日、「平成16年度電気保安功労者局長表彰」の式典を、さいたま市中央区のさいたま新都心合同庁舎1号館5階の会議室で開催し、永年にわたり電気保安の確保に努め、その功績が極めて顕著である6事業所と個人23名を表彰した。
この表彰は、電気保安業務に携わっている者の保安意識の高揚を図り、電気保安のより一層の進捗を図ることを目的として、毎年、実施しているもの。
今回の受賞者は、事業所の部が▽工場等の部2件▽電気工事業者の営業所の部4件で、個人の部が▽電気主任技術者4名▽電気工事士7名▽電気保安関係永年勤続者7名▽ダム水路主任技術者、ボイラー・タービン主任技術者2名▽電気保安業務受託者1名▽外線工事等従事者2名。
このうち、本県関係では、埼玉県電気工事工業組合のメンバーから、電気工事業者の営業所の部で、草加支部の(株)大広電気(熊田弘信社長)と大宮支部の高島電気(株)(高島俊之社長)の2社が受賞。また、電気工事士の部で、草加支部の鈴木誠氏(新協電設社長)と行田支部の福嶋猪之助氏(福嶋電気(株)社長)の2氏が受賞の栄誉に輝いた。
表彰式は、同局から、高橋武秀局長をはじめ、森山善範資源エネルギー部長、笠原達電源開発調整官、菅谷健一電力・ガス事業監査企画官ら幹部が列席した。
まず、主催者を代表して、高橋局長が「国民生活や産業活動に欠かせないエネルギーである電気を、安定的に使うことができるのも、着実に安全確保に努めてこられた皆様方のご尽力の賜物であります」と述べてから、「近年のわが国における電気を取り巻く状況は、大きな変化を遂げつつあります。供給体制の面では、電力会社以外の者が電気を供給できるよう、電力自由化を進めているところであり、また、電力安全規制の面では、これをより一層合理的かつ効果的なものとする一環として、本年1月から、一定の要件を満たす法人であれば、誰でも電気保安の監督業務に参入できるようにして、需要家の選択肢を増やしました。いかなる体制の下であれ、電気安全確保を万全のものとしていくために、皆様方が果たされる役割は益々高まっております。今後も、これまで蓄積された豊富な知識と経験を生かし、それぞれの立場で電気保安の確保に、引き続き一層のご貢献を賜りますようお願い申し上げます」と式辞。
続いて、表彰状の授与に移り、高橋局長から受賞者一人ひとりに表彰状が手渡された。
来賓祝辞は、電気安全関東委員会の木村滋委員長、関東電気協会の屋宮達雄理事兼事務局長、火力原子力発電技術協会関東支部の山口啓一専務理事、送電線建設技術協会関東支部の岩瀬俊男副支部長の4氏を代表して、木村委員長が受賞者にお祝いの言葉を述べてから、「電気は国民生活、経済活動などのあらゆる分野において用いられています。今回の新潟中越地震などを見ても、停電の影響というものは、計り知れないものがあります。このような災害時を含めた電力の安定供給、安全確保を図っていくためには、電気を供給する者、電気の工事をされる方、電気を利用される方が、それぞれの分野での地道な努力が必要だと思っています。電気の仕事に携わる私どもとしては、自己責任という原則のもと、電気設備の安全、信頼度の確保、エネルギー資源の有効活用、環境保全など多くの課題に対応していかねばならず、その責務は極めて大きいと言えます。本日、受賞の栄誉に浴された皆様方におかれては、このような状況をご理解いただき、時代の変化を先取りし、蓄積してきた知識、経験を生かし、後進の指導にあたられますとともに、豊かな社会の構築と発展に益々ご尽力されますよう、お願い申し上げます」とあいさつ。
これを受けて、受賞者代表の菅沢文夫氏(鹿島北共同発電(株))が「私どもは、本日の栄誉ある受賞を契機に、心を新たにして、常日頃からの創意工夫と継続した努力・向上を怠らず、さらに研鑚を重ね、電気保安確保の向上に努めてまいります」と謝辞を献じ、閉式となった。