測量設計関連の技術研究や人材育成するNPO法人長野県GIS協会(増沢延男会長・みすず綜合コンサルタント代表)は18日、第14回通常総会を長野市内で開いた。
任期満了に伴う役員改選で、会長の増沢延男氏はじめ、副会長小山忠孝氏(嶺水)ら役員全員が留任した。増沢会長は、近年被災地などの危険な場所を正確・迅速に測量する最新機器(MMS・3Dスキャナーなど)の進化により、最先端とされてきた、情報管理するGIS(地理空間情報システム)の話題が薄れてきたとの認識を示し、本年度からは災害地や森林、建物、橋梁など調査するマルチコプタ―UAVと、GISを融合させる新システムを研究・開発していく考えを述べた。
増沢会長は「今や上空250mから撮影して、インフラ点検、災害撮影、農作物など様々な情報を読み取れる。しかし、地図とデータをリンクして、色々に利用していくことは絶対必要。われわれGISは常に最先端の仕事が求められている。新たな研究に取り組んでビジネスにつなげて行きたい」と抱負を述べた。
また、同事務局の橋元宣明氏(みすず綜合コンサルタント)が事業報告として、2月に実施した県職員向けの講習会について県の動向などを説明した。橋元氏によると、若い職員の中でGISを活用しようとの意見から、予算が800万円が付き、砂防課のデータを作成するため委託業務の発注がされたが、当協会員の受注には至らなかったとした。また、県の活用は住宅地図などの程度で、手持ちのデーターとマッチングさせて活用している人は一部だった、などと現況報告した。
本年度事業計画は、今年秋公開予定で、新版地質図事業がスタートして、地質図データをはじめ、測量設計成果ほか、各種データをGISアプリケーションに利用した利活用が必須スキルとなることから、本年度は、それらのスキル習得に向けた活動に力を入れ、また、毎年実施している、長野高専カリキュラムには、最新の測量機器を生徒に披露しながら指導するなど、原案どおり承認した。
本年度の事業計画は次のとおり
[普及啓発活動]
◇GIS技術講習会(オープンソースGIS等を用いたCADとGISの相互利用研修)10月下旬
◇地区セミナー及び関係行政機関との意見交換会(開催日未定)
◇スキルアップセミナー(新版地質図利活用セミナー)12月上旬
◇会員増員に向けての活動(HPはじめとした、PR活動や、事業の充実をはかり会員の増強を図る)
◇長野高専GISカリキュラム(会員の指導者としてスキルアップを狙うとともに、若手技術者の育成を図る)7月1日、10月28日
〔GIS情報収集活動〕
◇GIS先進自治体及び先進GIS関連団体との意見交換会(時期未定)
〔特定非営利活動に係る事業以外の事業〕
◇新版地質図デジタル化